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ここに2人の対照的なトップセールスパーソン(共に女性)がいるとします。
1人はとてもポジティブな思考の持ち主のAさん。とにかく前向きで、いい意味で自分に都合の良いように物事を捉えます。
何か悪いことがあっても、「むしろそうなってよかった!」「ついてる!」「どうせならこのマイナスをプラスに変えよう!」と考えるのです。
Aさんには、転んでもただでは起きないたくましさと、何があっても渡りに船と受け取る明るさ、そして、自分の感情をコントロールできる強さがあります。
彼女と話すと、つまらぬことで落ち込んでいた私の気持ちまで軽くなるほどで、感情を揺さぶられることの多いセールスの仕事で成功したのもよくわかります。
どの分野でも、トップクラスに登りつめる方には多いタイプかもしれません。
一方、もう1人は、どちらかというとネガティブな感情を原動力にするBさんです。
ご本人いわく、不運なことや何か落ち込むようなことがあると、「なんで? どうして? ついてないなあ……」「もうこんなのやだ!」と、しばらくネガティブな感情に囚われてしまうそうなのです。しかも、それが外からもわかるほどです(もちろん、お客さんには見せていないでしょうが…)。
では、なぜBさんは長年にわたってトップクラスの成果を出してこられたのでしょう? これが今回のテーマです。
Bさんは、こう話しています。
「(セールスパーソンの)中には本当にポジティブシンキングの人がいて、そういう人は本当にうらやましいです。ただし、ポジティブになろうと思ってもなれるものではないし、人間にはいろいろなタイプがいます。原動力はポジティブでもネガティブでも、私はいいと思っています。私が一番大事にしているのは《仕組み》をつくること。ポジティブなときでも、ネガティブなときでも前進できる仕組みをつくることです」
例えば、Bさんが長年にわたって実践してきたのは、次のような工夫です。
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