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「パパ! 悲しい、悲しいってばかり言っていると、もっと悲しいことが起きちゃうよ!」
「いつもあるものが、いつもあるとは限らないんだよ!」
これは最近、5歳になる我が息子に“叱られた”際の言葉です。
あまりに的確な指摘だったので、びっくり仰天! 「そんな言葉、どこで教わったんだ?」と尋ねたところ、本人にその自覚はなく、テレビ番組か何かで見て自然に覚えた言い回しのようです。
ぐうの音も出ないとはまさにこのこと。親の威厳も何もあったものではありません。
作家・吉川英治氏も「我以外皆我師也」と言っていますが、厳しいアドバイスというものは、《誰から言われたか》ではなく、《何を言われたか》に耳を傾けるべきである――ということで、今回は、この件をヒントに「マイナスの言葉を口にしてはいけない理由」をテーマに考えてみました。
マイナスの言葉をできるだけ口にすべきではない理由は3つあります。
まず、1つ目の理由は、言い訳を自分の中で正当化しないためです。
人は、できない理由を無意識のうちに自分以外に探そうとします。
例えば、聞いた話によると、占いが好きな人というのは、ある意味、“言い訳”を求めているのだそうです。
なるほど、それは自分でも思い当たる節があります。
私の場合、悩みを解決するための具体的な回答が欲しい場合は、何でも聴いてくれる友人ではなくその分野の専門家(例えば弁護士、税理士、医師、保険セールスパーソンなど)や、その事情に通じた人に意見を求めます。
反対に、友人や家族などに相談しているときというのは、気持ちや考え方を整理していると同時に、運が悪いこと、今できないこと、何かを諦めなければいけないことへの言い訳を探し、その理由を何とか正当化しようとしていることも多いような気がします。
そして、人は、マイナスの言葉を使い慣れてしまうと、言い訳の正当化にも慣れてしまいます。
これが2つ目の理由です。
つまり、何か困難なことに出会うと、常にグチを言い、逃げ道を探すようになってしまうということです。
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