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問題点を指摘してくれる存在を持つことの大切さ
有限会社T.S総合企画 代表取締役 津田 秀晴
  鎌倉時代の随筆集『徒然草』の中に、こんな話があります(第九十二段)。
  ある男が弓矢の射方を習う際に、2本の矢を手に取ったところ、師匠から「初心者は2の矢を持つな」とたしなめられます。2本あると思うと、1本目の矢を射るときにいい加減な気持ちになるというのです。
  作者の吉田兼好は、そのうえで「2本しかない矢を、しかも師匠の前で射るのに、いい加減な気持ちで射ようとは思わないだろうが、そうした慢心は、本人にはわからなくても師匠にはわかる。この教訓は他のすべてのことに通じるだろう」と、ざっくり訳すとこんな指摘をしています。
  この「本人にはわからなくても……」の部分に注目をすると、たしかに、どの分野のことであれ、自分自身の問題点(慢心、油断、怠け心、焦り、自分にとって都合のよい行動など)は、日頃からいくら意識していたとしても自分では気づきにくいものです。
  それは初心者だけではなく、その道のプロフェッショナルとなった人も同様でしょう。むしろ、上級者の方が、順調に結果が出ている事実や周囲からの賞賛の声にかき消されてしまって、問題の芽に気づきにくい面もあると思います。
  では、彼ら上級者はどのようにして、自分の問題点にいち早く気づいているのでしょう? 例えば、FPSクラブをご覧の皆さんは、どのようにされているでしょうか?
  偶然にも、そのヒントとなる事例が年末に立て続けに2つあったのです。
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