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誰にでも気さくに話しかけ、ほめる理由
有限会社T.S総合企画 代表取締役 津田 秀晴
  前回、「訪問先で出されたお茶への対応」に関して、生保会社支社長などを歴任された城戸啓太郎さん※1から教わったエピソードを書きました。
  その件で先日、城戸さんと久しぶりに会話をしたのですが、やはり「師匠」の言動は面白く、改めて勉強になることがたくさんあったのです。
  例えば、城戸さんが、誰にでも常に気さくに話しかけることもそうです。
  城戸さんは、喫茶店やレストランで打ち合わせをしているときに水やコーヒーを運んできたスタッフに対して、「この店(あなた・君)のサービスは本当に素晴らしいねえ」などと、ほめ言葉を投げかけます。
  そうした《直球》だけではありません。
「この店はスタッフの採用基準がずいぶん厳しいみたいだね」
とか、
「この店はモデルさんじゃないと働けないの?」
といった《変化球》も男女問わず、どんどん投げていきます。
  ここでいう変化球とは、《相手が一瞬何のこと? と考えてから、実は自分がほめられていたとわかる》ほめ言葉のことです。
  城戸さんは、プライベートでご家族を連れて出かけたときにも同じ行動をするので、お孫さんからは「恥ずかしいからやめて」と言われたこともあるそうですが、それでも意に介さずに続けた結果、「家族はもう慣れてしまったね」と笑います。
  では、城戸さんは、なぜそうするのか?
  この答えの1つは、以前の連載の中でも触れました。
  それは多くのトップセールスパーソンも実践しているように、《店の従業員とコミュニケーションをとることで、居心地の良い空間を作り出すため》です※2
  相手の良いところをほめれば喜ばれますし、喜ばれれば自分も嬉しい。自分の意識が《下向き、後ろ向きのマイナス方向》ではなく、《上向き、前向きのプラス方向》に向かうので、モチベーションも高くなります。
  仕事で対面する相手(お客さんや部下)だって、できれば《いつも楽しそうで、軽やかで、余裕のある感じの人》と話したいでしょうから、いいことづくめです。
  昨日、改めて城戸さんに誰にでも話しかける理由を確認したところ、それに加えて、「なるほど」と思わされる、あと2つの理由を補足してくれました。

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