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以前、ある女性の取材をさせていただいて感銘を受けたことがあります。
それは彼女の仕事の成績が飛び抜けて良いとか、すごいスキルを持っているとか、とにかく話が面白い――といったことでなく、その女性がご自分の家族のことを、他人(私)の前でも当たり前のようにほめていたからです。
外国ではどうなのかは知らないのですが、少なくとも日本においては、一般的に、人前で家族(親族)のことを話すときには大っぴらにほめることは少ないと思います。
それどころか、照れ隠しや会話を盛り上げるスパイスの意味合いで、わざと悪く言うこともあります。特に、男性の場合は、年齢が高いほどその傾向は強いかもしれませんね。
そういう私にしても、自分の家族は誇りに思っていますが、堂々と外で発言することはまずありません。ましてや誇りに思っていることすら本人に直接伝えることもないのです。
ところが、さきに書いた女性は、《自分の家族はこういう部分が素晴らしくて、そういうところが大好きなのだ》ということを、当たり前のように話していました(しかも、それは取材テーマとは全く関係ない文脈での話です)。
私は、それが素晴らしいと思ったのです。
ただし、他人の前で身内をほめる場合には、気をつけないと逆効果になる恐れがあります。
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