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先日、ビジネス誌『THE 21』(2016年5月号)から雑談力に関する取材を受けました。
記者やライターとしてトップセールスパーソンを25年間取材してきて学んだ「雑談の秘訣」についてコメントさせていただいたのです。
詳細は同誌をご覧になっていただきたいと思いますが、ここでは、そこで話せなかった雑談に関するエピソードを2つご紹介したいと思います。
そのエピソードは、「人間は、他人からいきなり個人情報を聞かれるのは嫌だが、自分の気持ちや価値観は話したい(聴いてもらいたい)欲求がある」という法則に関するものです。
3カ月ほど前、私はあるインタビューの仕事でお会いした方から、自己紹介を終えるなりこんな質問をされました。
「今の仕事は、どんなきっかけでめざしたんですか?」
「やっていてどういうところが一番面白いですか?」
その人は、私の仕事についてとても興味を持ってくださったようで、率直に質問を投げかけてくれたのです。
日頃、取材している立場の私は、最初はこの展開に戸惑ったものの、面白がって聞いてもらっているうちに、普段はあまり口にしない昔話を話していました。
結果的に、自分の初心を思い出すことになりましたし、自分の思いを聞いてもらったことでとても気持ちがよいというか、満足感がありました。お互いの距離も近くなったと思います。
そのため、尋問するかのようにあれこれ質問したわけでもないのに、私たちは短時間のうちに個人的な情報をやり取りするようになりました。
実は、相手がトップセールスパーソンのときには、よくこういうことがあります。
セールスで成功する人たちというのは、もともと人間に強い興味がある人たちですし、相手と距離を縮めるための話術を仕事の中で自然に身に付けているのでしょう。
逆に、私が相手の価値観を尋ねたケースでは、以前こんな印象的なことがありました。
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