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「貯蓄があれば保険は要らないのでは」と言われたら?
ファイナンシャル・プランナー/なごみFP事務所 竹下さくら
  保険の話を向けると、様々な形で“保険は不要”を意味するセリフを返されるものですね。たとえば、「貯蓄があれば保険は要らないのでは」という返事をされて、言葉に詰まった経験をお持ちの方もおられるのではないでしょうか。
  ただ、よく考えてみると、全く無視されたり拒絶されたりしたわけではないので、返答いかんによってはチャンスにできる可能性大です。相手の言葉の裏に隠されたメッセージを読み取って、信頼を得る話し方で返せるよう日ごろから練習しておきましょう。
まずは「“使うための保険”は不要でも、
“遺すための保険”は必要かもしれません」と言ってみよう
  保険の話に限らず、会話の最初の数語には、多くのメッセージが込められているものです。たとえば、「貯蓄があれば保険は要らないのでは」と返されたとき、このひとことから以下のような相手の人柄や特徴が読み取れます。
  ・ ある程度の貯蓄があること
  ・ 保険について少し勉強していること
  ・ 合理的な思考をする人であること
  こんなときは、「“使うための保険”は確かに要らないかもしれませんが、“遺すための保険”は必要かもしれません」とまずは返してみましょう。相手に保険の知識があることを認めた上で、もう少し詳しい情報を伝える姿勢がポイントです。
  代表的な“使うための保険”は医療保険です。入院給付金が1日10,000円の医療保険で、1入院限度日数が60日というプランの例では、1回の入院で受け取れる入院給付金は最高で60万円になる計算です。
  このように、医療保険で得られる金額は1回の入院につき、せいぜい数十万円〜数百万円程度です。そのため、まとまった貯蓄がある人は、わざわざ保険に入らなくても貯蓄で十分という意見が、新聞や雑誌でよく取り上げられています。相手はこのような記事を見ていたわけですね。
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