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「保険は掛捨てだから損」と言われたら?
ファイナンシャル・プランナー/なごみFP事務所 竹下さくら
  人と関わりを持とうとするとき、相手との価値観のすり合わせは重要です。保険の話をするときもしかり。「保険は掛捨てだから損」と言われたら、「そんなことはない」とこちら側の論理の展開を始める前に、まずは、相手の立ち位置を再確認してみましょう。
  せっかく、掛捨ては損だという価値観を持っていることを先に教えてもらえた状況なのですから、相手の近くに立つための一助としたいところです。
「今は貯蓄しなければならない時期なのですね」と返してみよう
  一般に、“損得”が気になるのは、お金にゆとりがないときです。たとえば、住宅購入の頭金を着実に貯めなければならない時期であったり、子どもの教育費がかかったり、住宅ローン返済で家計がキツキツだったり、収入が減りつつある状況にあったり…と、何らかの理由を抱えていることが多いものです。
  お金にシビアな理由がわかれば、その人の抱えているリスクを見極めて適切なプランの提示につなげることができます。そのためには最初に、「今は貯蓄しなければならない時期なのですね」と返してみましょう。
  「そうなんだよね、実は…」と切り出してもらえたらラッキーです。あるいは、「そういうわけではないよ。単に保険がムダだと思うだけだよ」といった返事をされることがあるかもしれません。この場合も、「貯蓄があるから保険は要らない」と言われたわけではないので、数千万円もの貯蓄はないのが通常です。となれば、まとまった貯蓄が築けていない今だからこそ保障が必要であるというロジックで、保障設計に話をつなげることができますね。
  「掛捨ては損」と言われた際に心しておきたいのは、いきなり「掛け捨て VS 貯蓄性の高い保険」の構図の会話にしないことです。大事なのは、同じ方向を向いて、同じものを見て、相手目線から考えた上で、相手の気が付かないリスクを伝えようとする姿勢を示すことです。
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