Home > 営業スキル > 心をとらえるセールストーク術
 
「保険のことは家族に任せているから」と言われたら?
ファイナンシャル・プランナー/なごみFP事務所 竹下さくら
  既婚女性に保険について話しかけると「夫がすべてやってくれているので、私ではわからない」と返答されることがあります。そう聞いて、「では、ご主人がいらっしゃるのはいつですか?」とたずねるのは、実は、NGです。
  今回は、家族の保険を提案する際のポイントをお伝えします。
まずは、「保険金請求をするのは、きっとあなたなので、
保障内容を知らないとまずいかもしれません…」と言ってみよう
  結婚して夫や子どもがいる女性に保険の提案をするときは、年代の見極めが重要です。なぜなら、保険契約の管理の考え方が大きく異なっているからです。その分岐点は、大ざっぱにわければ、40歳前後。つまり、40代以上か、それとも30代以下か見当をつけて年代に合わせて対応する視点が重要です。
  30代以下の世代(20代〜30代)は、職場のビルなどの入館セキュリティーが厳しく、保険の営業職員が職場内で保険提案をする光景を、見たことがない人がほとんどです。そのため、保険提案をされた経験が少なく、ずっと無保険という人も多く見られます。
  対して、40代以上(40代、50代、60代〜)の場合はどうかというと、今ほどにはセキュリティーが厳しくなかったので、保険の営業職員が職場に出入りしており、営業職員から提案された保険に入った人が大半でした。すでに結婚している状況で夫が職場で保険提案を受けたケースでは、夫が家族の保険を契約していても、妻は保険の詳細は知らないというケースも少なくなかったわけですね。
  「夫が妻に保険の内容を説明しているのでは?」と思う人もいますが、夫自身が保障内容をよく理解していなかったために妻にうまく説明できていなかったり、保険証券を夫が職場の机の引き出しに入れっぱなしというケースもあります。あるいは、契約内容のお知らせはあるけれど保険証券はどこにあるかわからない…ということも散見されています。
  そのため、冒頭の例のように、家庭内で保険の情報が共有されていないことはありがちです。けれども、注意したいのは、「私ではわからないから…」という返事をされたときに、話の中心をその妻からずらさないことです。たとえば、「そうは言っても、ご主人様の生命保険の保険金を請求するのはおそらく奥様になりますので、保障内容を確認しておかれてはいかがですか?」というように、その人目線で話を掘り下げることがとても大切です。
  妻の立場からみた家族の保険の話をすることで、妻自身に関心を深めてもらえれば、夫につなげてもらう際にも口添えが得られるので話がスムーズです。中には、妻主導で保険の見直しに着手してもらえることもあります。
※ これ以降は会員専用ページです