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「都市型地主」さんと信頼関係を築こう
相続ジャーナリスト/エリグチFP事務所 代表 江里口 吉雄
  安倍総理が掲げる「アベノミクス」効果が出始めたのか、平均株価や為替相場に続けと言わんばかりに、地価も上昇の兆しを見せています。経済がこのまま好転していけば都市部の再開発も活発化していき、地主さん(土地持ち富裕層)が再び脚光を浴びるかもしれません。ところが、生命保険の営業パーソンの多くは地主さんに対して苦手意識を持っているようですし、地主さんも生命保険に対してさほど必要性を感じていないようです。
  本連載では、相続ジャーナリストであり、土地活用に強いFPでもある江里口吉雄さんに、地主さんへのアプローチの仕方、信頼関係の築き方から、生命保険を提案できる環境に持っていくまでを解説いただきます。
地主さんにとっての土地活用パターン
  地主さんを攻略するには、まず地主さんとその土地活用について知ることから始まる。
  土地活用という古くて新しいこのキーワードにはさまざまな意味合いがある。土地そのものを活用する方法と、土地の上に何かを建築してそこから家賃収入等を得る方法の2つを意味する。では、まずどのような活用パターンがあるのか見てみよう。
     空地(何もしない)
     駐車場(砂利敷き・アスファルト舗装)
     賃貸アパート・賃貸マンション
     貸事務所・貸店舗
     賃倉庫・ファミリーレストラン・郊外型流通店舗等
  @の空地は何もしないということで土地活用とは無縁のようだが、実は郊外の地主さんにとっては立派な土地活用である。なぜなら、将来の相続税の原資であるからだ。ただ、固定資産税といった土地保有税のコストがかかってくるが、それでも安定・安心の土地活用であるのだ。次に、固定資産税の負担くらいは活用したいということで、同じく安定・安心の土地活用としてAの駐車場経営がある。
  そして、B〜Dが一般的な賃貸建物による土地活用の代表格である。Bが住宅系、CとDは商業系ということになる。ただ、Dは賃貸建物による土地活用であるが少し特殊なパターンになる。なぜならロードサイドであることや前面道路が8m以上であるといった立地条件が厳しくなるからである。したがって地主さんの土地活用パターンは、建物賃貸と土地賃貸の2種類に分けることができる。
     1.  建物賃貸
     2.  土地賃貸
  このうちの建物賃貸を大別すると、住宅系と商業系に分けることができる。
     (1)  住宅系活用
     (2)  商業系活用
  なお、土地賃貸とは別に、賃貸建物によらないで事業用定期借地権による場合もある。定期借地権といえば住宅系として戸建て住宅の一般定期借地権もあるが、現在は市場化されていない場合が多いため、ほとんど見ることがない。
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