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顧問先紹介の“対価”について
(株)リスクマネジメント・ラボラトリー エグゼクティブ・アドバイザー 中川 勉
  前回は会計事務所との信頼関係を深め、紹介依頼が切り出せそうなところまでをお話しました。今回は実際にどのようにしたら顧問先を紹介いただけるかを解説しましょう。
こちらからはお願いしない
  冒頭から真逆のようなことを述べて驚かれるかもしれませんが、会計事務所の先生に「紹介依頼はしない」ことです。「しないで紹介が出ますか?」と読者のみなさんは思うでしょう。しかし、これまでの経験に照らしてみると、紹介依頼をすればするほど、紹介からは遠ざかっていくというのが私の持論です。
  よく考えてみてください。そもそも会計事務所には何のために通っているのでしょう?
  会計事務所の顧問先に生保の提案ができればと思って通っているわけです。連載第1回でお話したように、中小企業に飛び込みをやっても落ち込むだけです。しかし会計事務所と信頼を築くことができれば、自ずと中小企業への、つまり顧問先への提案につながります。
  つまり会計事務所と連携をとっていきたいというのは、言葉に出さないまでも「信用に足る人間だと思ってもらえるなら、ぜひ紹介してほしい」ということです。会計事務所の先生方もそういうことは百も承知でみなさんと会っているのです。それを承知の上でさらに言う必要はないということです。
信用されているかどうかはどうすればわかる?
  顧問先の紹介は最初からは出ません。その前に信用に足る人間かどうか、まずは保険の相談や質問が来ます。そういう状況になったときを「信用の芽生え」と呼んでいますが、このチャンスを私は大切にしています。ではどうするのかというと、相談や質問に迅速かつ丁寧に答えるということです。
  ここまではよいのですが、実はこのあとに大きな落とし穴があります。この状況はとてもいい流れです。ただ未だ「信用の芽生え」段階ですので、ある意味試されているのだと自戒することです。その相談や質問について具体的に根掘り葉掘り聞かないことです。聞いたらどうなるでしょう。せっかく芽生えかけた信用が、一瞬にして潰えてしまいます。
  相談に回答してもらって「とても良くしてもらった」と先生方が思っているときに、具体的に「どういった会社でしょうか?」と詮索したらどうなるか……ガッカリするのではないでしょうか? そうなってしまったらせっかくの「信用の芽生え」を自ら摘んでしまったことになります。
  ではどうすればよいのでしょうか? それは、
  「今後はどういった質問や相談でも、疑問や不明な点がございましたらいつでもご連絡ください」
  これだけです。
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