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 第9回
キッチンテーブルセールスマンから脱却せよ
キーストーンフィナンシャル株式会社 
代表取締役 大坪 勇二
  さて、今回は「トップセールスが実践するとっておきの3つの方法」の第2番目、「専門性を持つ」です。
  自分の専門分野はあったほうがいい。そりゃそうだ、誰でもそう思うでしょう。でもあなたがそれをやらない理由は、大変そうだから、何をしたらいいかわからない、そんなところでしょうね。
  そんなあなたに今日は、「大変だ! すぐにでも自分の専門分野を作らなきゃ!」と居ても立っても居られなくなる話をしましょう。
キッチンテーブルの屈辱
  某外資系生保の役員から聞いた話です。
  アメリカの生命保険業界では
  selling on the kitchen table
  という言葉があるそうです。
  直訳すると「キッチンテーブルでの販売」。
  顧客の自宅に訪問してキッチンテーブルの上でする商談のことで、オフィスや会議室での(かっこいい)商談と対比して、どちらかと言うと野暮ったい、イケていない販売の仕方というようなニュアンスがあります(当然、販売額も少額ですし)。
  子供も小さくまだお金のない若い夫婦に対する販売が、その典型です。
  もちろん、イケてなかろうがイケてようが、生命保険のご契約をいただくうえで必要であればこなさなければいけません。
  私も、若いご夫婦を前にしたキッチンテーブルでの商談を数限りなくこなしてきました。訪問したお宅で小さなお子さんがむずかった時のためにドラえもんのビデオを常にカバンに忍ばせてましたっけ。

  しかし、30代では平気だったこの方法も40歳を超えるころからでしょうか、だんだん苦痛になり始めました。
  それは顧客と私の年齢差がだんだん開いてきたのが原因でした。
  考えてもみてください。
  40歳を超えたおじさんが、週末に20代の若いサラリーマン夫婦の家庭に伺う場面を。
  先方は神妙に聴いているかもしれません(ずいぶん年上の相手ですしね)が、本音のところではどう思っているか。
  「どうせ営業されるなら、同じくらいの年代の営業マンの方が遠慮なく質問もしやすいのに」
  「年齢が離れていると、なんとなく重たいなー」
  「なんでウチに来てもいいって言っちゃったんだろう…」
なんて思っているかもしれません。
  いや、多分そう思っているはずです。
  それがなんとなく伝わってきてこちらも何だか居心地が悪かったりして。
  それに、そもそも若夫婦宅を訪問して営業するスタイルを、40歳を超えてやっているのはなんだかイタイ――私にはそう感じられました。
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