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私はこれまで、1,000人を超すビジネスパーソンや各分野の専門家の皆さんの取材をしてきました。
そこで話されたことを振り返ってみると、仕事で成功するための要素として多くの方が指摘していたのは、「現在の自分の状態にいち早く気づくことの大切さ」でした。
現在の自分の状態とは、感情・考え方・スキル・戦略・行動・人間関係・健康……といった心技体すべてのことです。
仕事がうまくいかないときには、これらのうちのどれかに問題があり、そして、その問題(ズレ)は長く放置しておけばおくほど深刻になり、取り戻すのにはより多くの時間やエネルギー、費用がかかります。それは仕事に限らず、旅行の計画や病気治療などでも同じです。
では、どうすれば、自分の状態にいち早く気づくことができるのでしょう?
そのための手段はたくさんありますが、多くの方が実践していたのは、たとえば、次の3つのことでした。
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自分の感情や行動を数値化して管理する (日々、自分で決めたルールで点数を付けて) |
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A |
振り返りの時間をきちんとつくって、自分の考えや感情を紙に書き出してみる |
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B |
誰か(メンター的な存在の人)に相談する、 あるいは、「○○さんならこんなときにどうするだろうか?」と考える |
こうした3つのことを、どのように実行していくかもまたそれぞれ千差万別なのですが、今回ご紹介する本『書きながら考えるとうまくいく!』(マーク・リービー著、森重優実訳、PHP研究所)には、上記3つのうち2つに当てはまり、私が個人的に「面白く、役に立つ」と感じた工夫が載っていました。
それは、さまざまな立場の人と「紙上で(空想の)会話をする」こと――。対話の内容を思いつくままに、正直に、書き連ねてみるのです。
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