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才能がなくても面白い会話はできる
『最強のコミュニケーション ツッコミ術』
有限会社T.S総合企画 代表取締役 津田 秀晴
ボケは天才、ツッコミは努力
「商談のときに何か面白いことを言えるようになりたいんですけどね……自分にはそれがなかなかできない」
  以前、知己のセールスパーソンがこんな話をしていました。
  私は、それほど悩まずとも、無理に面白い話をしなくてもいいのではないかとアドバイスしたのですが、とはいえ、初対面のお客さんに心を開いてもらうには《笑い》が大きな武器になるのも間違いないところです。
  事実、トップセールスパーソンの皆さんも、「訪問するときにはいつもお客さんの歯を見ることを第一の目標にしている」とか、「商談の最初では商品とは関係のない話題で笑顔が出るような会話を心がけている」と口を揃えます。
  では、話し下手な人が、会話を弾ませ、「お客さんの笑顔」を引き出すためには、どのような工夫をしていけばいいのでしょうか?
  そのヒントの一つになりそうな本が、今回紹介する『最強のコミュニケーション ツッコミ術』(村瀬健著、祥伝社)です。
  著者の村瀬さんは、放送作家・漫才作家として活躍されている方で、これまで数多くのお笑い芸人を見てきた経験などを踏まえて、漫才でいう“ツッコミ”のスキルこそ、ビジネスシーンをはじめとするあらゆるコミュニケーションの場で最強の武器になると指摘します。
  そして、漫才の“ボケ”がその才能や創造性によって《常識とかけ離れたおかしな発言をする》役割であるのに対して、ツッコミは《常識人の立場から違和感を抱き、指摘》してそのおかしさを説明するものであるため、努力と経験で上達可能だというのです。
たとえば、ラーメンを食べながら「おいしいわー、このうどん」とボケる人に、「それラーメンだよ!」と指摘するのは、それほど難しいことではありません。(同書7ページ
最強のコミュニケーション ツッコミ術

村瀬 健著  祥伝社発行  本体800円+税
なぜ、お笑い芸人、なかでもツッコミ担当に社交的な人間が多いのか? テレビ番組の司会者はどのように仕切り、進行させるのか? 放送作家・漫才作家として2000組を超える芸人を指導してきた著者が、徹底分析。豊富な事例と共に解説します。
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