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先日、母親に付き添って携帯電話ショップに行ったところ、若い男性スタッフの説明があまりにもわかりにくくて閉口しました。
高齢の母親はもちろんのこと、横で聞いていた私も、彼の話をきちんと理解できず、「えっ?それはどういうことですか?」「今の説明を整理すると、つまり、こういうことですか?」などと、何度も何度も確認するはめになりました。
販売店にはトークマニュアルもあるはずなのに、彼はなぜそうなってしまうのでしょうか――?
彼の話がわかりにくかった原因はたくさんありますが、たぶん最大の問題は、「自分がきちんと理解していないことをただマニュアルの通りにしゃべっていたから」だと思います。
彼の口調はまるで自信がないので、聞いているこちらの頭に内容が入ってきません。また、彼にとって想定外の質問をこちらが投げかけるとパニックになり、取り繕うように言葉を重ねるので、余計に説明がグズグズになる――。そんな展開でした。
さて、この例ほど極端でないにしろ、何らかの説明を受けた際に、「話がわかりにくい。どうも頭に入ってこないな」と相手に対して感じることはよくありますよね。
ということは、もちろん、私たちが説明する側になっているときにも、相手に同じ印象を持たれていることもあるわけです。
そこで、今回の『読書で鍛える営業力』は、ニュース解説でおなじみの池上彰さんの著書『わかりやすく〈伝える〉技術』(講談社現代新書)をご紹介します。
池上さんの話の中から、私が強い印象を受けたのは、次の3つの助言です。
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