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今回は、最近私が初心に帰るような感覚で読み返した本をご紹介します。
『アイデアのヒント』(ジャック・フォスター著、青島淑子訳、阪急コミュニケーションズ発行)という、アメリカの広告業界で長く活躍してきた著者が、新しいアイデアを形にしていく方法をまとめた本です。
本書は発想術の基本を平易に紹介しているため、この手の本を読みなれている人にとって目新しい話はないかもしれません。しかし、豊富な事例をもとに基本事項を記しているからこそ、私などは、仕事のアイデアに行き詰ったときにパラパラと読み返すと、その時々に自分が抱える課題に合った大事なことに気づかされます。
たとえば、この5月の読書で私の心に最も引っかかったのは、次の2つのエピソードでした。
1つ目は、著者が『禅とオートバイ修理技術』という本の中にあった話を紹介している部分です。
あるアメリカの女子生徒が、「アメリカについて500語程度で書きなさい」という課題を出されるのですが、テーマが広く漠然としすぎているため彼女は何も書くことが思い浮かびません。
そこで学校の教師は、アメリカという国ではなく自分の住んでいる町についで書くことを勧めます。それでも彼女が思い浮かばないと……、
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