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 第7回
血縁関係がないと知りながら認知した父は
後になって無効を主張できるの?
弁護士/司綜合法律事務所パートナー 中込 一洋
「嫡出でない子」の父の決め方
  母と子の間に血縁関係があるか否かは,妊娠・出産という事実によって明確に決められます。ところが,父と子の間に血縁関係があるか否かを確認することは容易ではありません。最近ではDNA検査をすれば相当高い確率で判断できますが,そのような検査はしないのが普通ですよね。
  民法は,妊娠・出産をした女性が結婚しているか否かによって,父の決め方を変えています。
  まず,結婚している場合は,その女性から生まれた子(嫡出子)について,夫の子と推定されます(民法772条)。夫婦関係があるのだから,生まれた子の父は,母の夫である可能性が高いためです。
  これに対して,結婚していない女性から生まれた子(嫡出でない子)については,このような推定ができませんので,その父は認知することができると定められました(民法779条)。認知とは,嫡出でない子の事実上の父が,これを承認して法律上の親子関係を発生させる意思表示です。
  それでは,認知をした男性と子の間に,血縁関係がないときでも,認知は有効なのでしょうか。
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