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 第10回
世間から一人前扱いされることの損得論
いくつになったら大人なの?
弁護士/司綜合法律事務所パートナー 中込 一洋
お酒は20歳になってから
  伊坂幸太郎の小説『砂漠』(新潮文庫)は、とっても楽しい青春小説です! 主人公の北村くんが大学1年生になった4月、居酒屋の2階に同じクラスの学生約80人が集まりました。そのシーン(10頁)に、以下の記載があります。
  店員がやってきて、エビチリの大皿を置く。店員の女性は、料理を提供することよりも、皿と皿の隙間にいかにして大皿を置くか、そのことに夢中だった。建前上、『アルコールは二十歳以上の者のみ』と指示されていたが、誰もがビールを楽しんでいる。
  まだ10代であっても、大学生になったことで大人になったように感じた気持ちを、よく表していると思います。
  えーと、このようなことは未成年者飲酒禁止法1条に違反しているわけですが※1、ここでは、もし法律を改正するとしたら、いつから大人とするのが良いかを考えてみたいと思います。
※1 満二十年ニ至ラサル者ハ酒類ヲ飲用スルコトヲ得ス
選挙権年齢を引き下げたら、契約年齢も引き下げるべき?
  国民投票の投票権を有する者の年齢は18歳以上とされており、また、選挙権を得られる年齢を18歳以上とする公職選挙法改正案が国会に提出されていることを受けて、民法その他の法令についても改正が検討されています。
  大人になるのは20歳からか、18歳からか。貴方は、どう思いますか。
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