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オレゴン州組合Aは,米国カリファルニア州裁判所において,アメリカに工場建設を目論んでいた日本法人B社を訴え,勝訴判決を得ました。その内容は,@実際に生じた損害に対する賠償(補償的損害賠償)約42万ドル,A加害者に制裁を加えるための賠償(懲罰的損害賠償)約112万ドル,B訴訟費用約4万ドルの支払です。組合Aは,この判決を日本で執行するために手続を進めました。
国ごとに法制度が異なるため,外国判決をそのまま承認・執行してしまうと不都合が生じることもありえます。そこで,日本の私法秩序に混乱を生じさせないために,民事訴訟法118条は,外国裁判所の確定判決の効力を日本で認める際に「判決の内容及び訴訟手続が日本における公の秩序又は善良の風俗に反しないこと」を要件としています。
最判平成9・7・11民集51巻6号2573頁(以下,本判決といいます)は,組合Aの請求について「補償的損害賠償及び訴訟費用に加えて,見せしめと制裁のためにB社に対し懲罰的損害賠償としての金員の支払を命じた部分は,我が国の公の秩序に反するから,その効力を有しない」と判示しました。
カリファルニア州裁判所は認めたのに,最高裁は否定したのですね。
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