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 第1回
プレアプローチから役員退職金アプローチまで
古賀社労士・FPオフィス 代表 古賀 輝行
  筆者は数多くの生保セールスパーソンに法人開拓研修の講師をしている。研修を通じて受講生に実践してもらっていることをシリーズでお伝えする。第1回は、プレアプローチ(アプローチの前に行なうこと)から役員退職金提案へのアプローチにつなげるまでを紹介する。
 1  プレアプローチ
  事業保障資金や役員退職金準備などに生命保険を活用する提案を経営者にアプローチする場合、事前にやらなければならないことがある。それは「経営者と親しくなり、経営者に自分の話を聞く気になってもらう」ことである。
  セールスパーソンの中には初対面でも旧知の間柄のように親しく話せる人もいるかもしれないが、非常に稀である。このために、多くの生保セールスパーソンは以下のようなことを行って、経営者と親しくなるとともに、経営者の信頼獲得を図っている。
  明るく大きな声で挨拶をする、清潔感のある身だしなみを心がける、約束の時間を厳守する、問い合わせにはクイックレスポンスで応えるなどである。これらは、生保セールスパーソンとして大切なことではあるが、ライバルたちも皆やっていることであり、基本中の基本でしかない。したがって、これらができていないと経営者からはマイナス評価(ダメ出し)をもらってしまうことになるので、当然に実行しなければならない。
  そこで、他の生保セールスパーソンとの違いを経営者にアピールして、差別化を図らなければならない。他がしていないことや自分にしかできないことを行い、誰も話していないことを話すことが、差別化となりお客様の印象に残ることになる。
自己開示で相手との距離を縮め、きっかけをつかむ
  筆者が生保研修の中で、「親密化」と「経営者に自分の話を聞く気になってもらう」という2つの目的を同時に達成できる手段として受講生に提案しているのは、「自己開示」である。デンマークの心理学者、エドガー・ルビンが自己開示の返報性について以下のように述べている。
「自己開示が高密度であればあるほど、相手の自己開示の密度も高くなる。『相手に心を開いて欲しい』と思ったら、『まず自分が先に心を開く』。人間は相手が心を開けば、恐怖や不安が取れて自分も心を開きたくなる」
  この自己開示のためのツールとして、筆者自身は自己紹介シートや自己紹介名刺を使用している。次ページのシートは、筆者が実際に使用しているものである。
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