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 【基礎編】第1回
リスクに対して柔軟に
対応できる「証券分割」
税理士 山口 淳一
  本シリーズは、基礎編では生命保険の基本的な機能や諸先輩方から受け継がれてきたノウハウを紹介し、応用編では決算書や“出口”の面から企業が抱える問題点についてスポットをあて、それに対するソリューションを検証し、決算書から企業に対する生命保険販売に繋がるようなアプローチ手法を紹介していきます。この中の1つでも、今後の法人開拓にお役に立てれば幸いです。ただ、生命保険会社によっては、ここで紹介する保険商品が取り扱っていない場合や機能的に対応できない場合がありますので、実践する際は所属会社・取扱会社の担当者等にご確認ください。
  基礎編の第1回は「保険証券の分割」、いわゆる「証券分割」についてご説明していきたいと思います。
機能ごとに分割するメリット
  今回は、「証券分割」を2つに分類して解説してみたいと思います。
  1つは定期保険特約付終身保険のような1枚の保険証券に死亡から医療までの保障を盛り込んだパッケージ化された商品を機能ごとに分けていくもの(以降、「パッケージ商品の証券分割」という)、もう1つは同一保障を複数に分けていくもの(以降、「同一保障の証券分割」という)です。
  「パッケージ商品の証券分割」の具体例を挙げてみましょう。
CASE1
主契約 :  1,000万円
災害特約 :  1,000万円
入院特約 :  1万円/日
  現在ではもう少し複雑な商品が一般的ですが、このような契約は、入院された際には入院給付金を請求し、入院費用などに充てることができ、死亡の際には死亡保険金が支払われ、遺族の生活費に充てることができるため、オーソドックスな生命保険の活用の仕方といってもよいものです。さらに突然の災害による死亡には、災害死亡保険金が基本保険金に上乗せされ、支払いを受けることができるというものです。
  しかし、想定外の状況になった場合には、どのように対応すればよいのでしょうか。
  死亡には至らない状態で保険金が支払われる保険事故の代表的な例として高度障害保険金(給付金)があります。
  被保険者が、高度障害状態になった時には、保険約款で保険金の支払い対象となる保険事故に該当します。申請することにより、生命保険会社から主契約である高度障害保険金(給付金)の支払いがあります。その時点で、主契約は消滅します。その結果、特約である災害特約、入院特約などは主契約に準じて消滅することになります。
  つまり、契約者・被保険者にとって最も生命保険が必要な時に、生命保険が持っている本来の機能を発揮できない状態になるということです。このような時でも契約者等の期待を裏切らないためには、どうしたら良いでしょうか。
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