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 【基礎編】第3回
事業承継対策や経営者の相続対策に活用したい
診査・告知なしで新たに保険に加入できる「変換権」
税理士 山口 淳一
  今回は「変換権」について解説します。
医師の診査不要で新しい保険に加入できる権利
  「変換権(コンバージョンといわれることもあります)」は、契約中の生命保険から体況に関係なく(診査・告知等をすることなく)、新しく他の生命保険に加入することができる権利のことをいいます。
  これは定期保険の約款の規定に基づくもので、通常、契約後2年経過した段階から生まれる契約者の権利です(注)。この機能を活用することで、保険契約後、経済上あるいは体況上の変化が生じた場合などに、契約者や被保険者のライフスタイルに合わせた保険のプランに変更することができます。言い換えると、定期保険に加入すると、その後、新たに保険加入するときに、健康状態に関係なく一定の保障枠を確保できる機能ともいえます。
  また、既契約を全部解約した場合だけではなく、一部解約した時にもその消滅した保険金部分について変換権が生まれます。
  定期保険から変換権を使って変更できる保険商品は、従来、養老保険や終身保険などの貯蓄性商品が主流でしたが、最近では保障性商品である定期保険も対象とする保険会社も登場しました。その際、被保険者が新たに加入できる保険金額は、死亡保険金から解約返戻金を控除した後の金額とする会社が多いようです。
  個人契約における一般的な使い方の一例ですが、年齢が若いうち(就職して間もない時など)は所得が少ないので保険コストの安い定期保険に加入しておいて、将来、収入が安定したとき、または、体況が悪化して新規の生命保険に加入することが難しくなった時点で、変換権を使って貯蓄性のある終身保険等に契約を切り替える方が多いようです。
(注)  保険会社によっては変換権の有無、対象商品や経過年数、残余期間等の取扱規定に違いがあるため、提案・活用の際は商品ごとに確認が必要です。
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