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 【基礎編】第4回
短縮して保険料を軽減、延長して返戻率を
確保するなど変幻自在な「保険期間の変更」
税理士 山口 淳一
  今回は生命保険の保険期間の変更(短縮と延長)について解説します。保険期間の短縮と延長は、加入している生命保険契約の保険期間を短くしたり、または延ばしたりすることができるというものです。特に定期保険と養老保険にその機能が有効となる場合がありますが、今回は定期保険を取り上げます。
保険期間を短縮することの効果
  最初に「保険期間の短縮」(以下、期間短縮といいます)についてご説明します。これは文字通り、生命保険契約の保険期間を短くするというものです。この方法は、個人契約ではあまり活用されることはなかったと思います。
  しかし、法人契約の場合には、この機能が有効に働くことがあります。一般的には、企業業績悪化による資金難に陥ったときに、借入債務対策のために加入している生命保険の死亡保障を維持しながら保険料負担を削減することができ、財務改善に貢献できます。
  具体的にご説明します。
例1  保険種類:定期保険 保険期間:100歳  契約年齢:40歳  保険金:1億円
年払保険料:2,099,200円  10年経過時点の解約返戻金:18,525,000円
経営者は現在50歳で、借入金が1億円ある。
このような企業で、経営環境から資金繰りが悪化して、保険料の支払いが難しくなってきた。……(資料1参照)
資料2
(単位:円)
長期定期保険(保険期間:100歳)
の契約年齢で比較した返戻率
契約年齢
35歳 40歳 50歳 60歳 70歳

年払保険料 1,810,300 2,099,200 2,922,800 4,320,600 7,025,700
返戻率ピーク時年齢 66歳 65歳 63歳 66歳 73歳
その時点の返戻率 95.80% 91.00% 81.70% 72.30% 58.60%

年払保険料 1,471,600 1,683,900 2,266,200 3,218,600 5,020,000
返戻率ピーク時年齢 76歳 75歳 74歳 71歳 75歳
その時点の返戻率 104.1% 99.50% 90.90% 82.90% 72.60%
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