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 第4回
会社の財務内容を分析(2)
カギは「キャッシュフロー表」にあり!
株式会社ライフUP 代表取締役 橋口 慎也
  前回は、会社にとって決算書とは? をテーマに保険に関わる勘定科目や保険料を払っていただくには、どの部分に着目すればよいかをお話ししました。今回は、決算書をどのように活かせば保険の提案につなげることができるか、筆者が実際に販売の現場で実行していることをご披露します。
決算書を活用した保険提案の事例
  前回、損益計算書や貸借対照表は過去の結果に過ぎず、保険の提案に直接つながらないとお話ししました。繰り返しますが、決算書を分析しただけでは保険の販売に直接つながることはありません。それよりも、自社株の株価の計算(当初の投下資本が現在どれだけの価値になったか計算)、銀行から融資を受けやすくするための改善ポイントのアドバイスなど企業の資金対策や資本政策、借入書類作成や決算数値改善策、株価圧縮対策として社員持株会設立や分社化のアドバイスを行い、経営者に金銭・心理面のメリットを実感していただくよう努めています。
  では、資金対策や資本政策に保険を活用する余地はあるのでしょうか? そのために筆者が実践しているのが、保険の解約返戻金を盛り込んだ「キャッシュフロー表」の作成です。これを経営者にご覧いただくことで予想以上の効果を発揮します。
  保険料を払えば、当然、企業のキャッシュが減ります。しかし、通常、保険の解約返戻金はキャッシフロー表の項目にありません。私は、保険分析や保険販売に役立てるために、あえて<保険の解約返戻金>という項目を作成しています。さらに<すぐに現金化できる財産の合計>という項目も付け加えています。この合計は、現預金の期末残高+保険の解約返戻金で算出しています。
  保険の解約返戻金は含み資産の形成となりますから、利益が減少しても、解約返戻金と相殺することで、利益を平準化することが可能となります。さらに、緊急時の資金繰りにも解約返戻金は活用できます。このほかにも、会計上の利益(雑収入の発生)とキャッシュ(口座に解約返戻金が入金される)を同時に生み出したり、退職金や設備資金、修繕積立金の原資にも活用できます。保険はさまざまに活用でき、経営戦略上、欠かせませんが、そのことをなかなか経営者は理解できませんので、キャッシュフロー表に解約返戻金という項目を設けて認識いただくわけです。
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