Home > 営業スキル > 財務改善に役立つ法人保険
 
 第6回
キャッシュフロー対策の提案例(2)
会社の借入金対策として経営者個人でも保険に加入
株式会社ライフUP 代表取締役 橋口 慎也
  前回は、実際の提案事例を使って、退職金支払いや自社株買取りのための資金の捻出方法として生命保険を活用いただくには、どのような、図表や数字を使って提案すれば効果的なのかを説明しました。今回は、設備資金を捻出するにはどうやって銀行に説明するのか、あるいは、借入金を抱えた企業が様々なリスクを回避するにはどのように生命保険を活用するのがベストなのかということについて、設備投資のシミュレーションや資金の調達・返済表を使って、未来の収支を予測して保険提案につなげる方法を紹介します。
設備資金の借入サポートから保険提案につなげる
  M社は東京23区内にあるエスニック料理店で、年商は1億円。店舗は賃借で、店内の内装にこだわり、建物保証金と設備・什器による借入金は4,000万円あります。社長は43歳で、ご家族は専業主婦の奥さまとまだ幼いお子さんが2人いらっしゃいます。
  以前から社長は、箱根の古民家と土地を買い取り、建物修繕と内装工事を施してそば屋をオープンする構想を練っていました。この構想のメリットは既存の建物を利用することで安価な投資で済むため、そば屋開店後には、広大な土地を有効活用して、豆腐・味噌の物産工場の建設、既存施設の源泉59℃の内風呂を改装して日帰り温泉の開業などさらに事業の拡大を計画しています。狙いは、観光客の取り込み、地元の雇用拡大、資金繰りの安定化などです。
  生命保険については、法人契約は未加入。社長個人の契約は1,000万円の10年定期保険に加入しています。
  社長の心配事をお聞きしたところ、@売上・資金繰りの確保、A良い人材(従業員)の確保、B借入が膨らむことへの不安、ということでした。Aのフォローは簡単にはできないので、@の資料作りを支援して、銀行借入交渉の円滑化の実現をお手伝いしました。また、Bについては、既存借入金4,000万円+今回の資金(そば屋開店)2,500万円=6,500万円に続き、物産工場と温泉開業の資金を借入する計画があるので、そば屋のみ開店の場合の設備投資シミュレーション、物産工場と温泉開業まで含めた設備投資シミュレーションの2通りの作成を支援しました。
※ これ以降は会員専用ページです