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介護市場へ進出する保険業界の“思惑”
保険ジャーナリスト / 「inswatch」編集人 石井 秀樹
  少子化・高齢化が進行する中で、保険業界では今後期待される市場として介護を中心とした商品開発及び事業拡大に事業の焦点を当ててきている。生保業界では今年度に入ってから日本生命、朝日生命、富士生命の3社が新商品を投入した(商品改訂含む)ほか、各社で自社Web等を通じた介護に関する情報提供や各種サービスを充実させてきている。
  一方、保険会社による介護事業への参入も活発化、すでに今年3月に明治安田生命が介護付有料老人ホームを運営する(株)サンビナス立川を子会社化しているが、8月にはNKSJホールディングス傘下の損害保険ジャパンが全国約80箇所で介護事業を展開する(株)シダーと業務・資本提携、株式を公開買付し子会社化するなど損保業界も介護市場に力点を入れてきている。
  また、現在、金融審議会「保険商品・サービスの提供等の在り方に関するワーキンググループ」で保険会社の業務範囲やサービスの在り方、保険募集・販売の在り方等が検討されているがその柱の一つに現物給付型保険が上げられている。現物給付の例として有料老人ホームの入居権付与、介護サービスの提供、葬儀サービスの提供など介護関連等商品が対象に挙げられている。現物給付型保険が導入されれば保険業界にとって高齢化対応、介護対応商品の多様化が急速に進むことは確実だ。それだけに生・損保業界ともに今後は介護を巡る商品・サービス戦略をどう構築していくかが注目される。
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