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ニッチ市場で着実に伸びている少額短期保険
保険ジャーナリスト / 「inswatch」編集人 石井 秀樹
  保険に対するニーズの多様化が進む中で、最近、少額短期保険が注目を集めてきている。少額短期保険はその名の通り、取扱商品が少額(保険金額は最高1,000万円)・短期(生命保険は1年、損害保険は2年)の保険だが、従来の保険会社が販売してこなかった特定のリスクに対する保障(補償)やユニークな商品を提供しており、保険のニッチ市場の開拓が着実に進んでいることが背景にある。
  少額短期保険会社は2006年の保険業法改正を機に誕生した“ミニ保険会社”で、それ以前に保障事業を行なってきた無認可共済から保険会社になったケースと、新たな保険会社としてスタートした会社とがあるが、年々会社数が増加、2011年度末で69社に上っている。
  内訳は家財・賠責関係が31社、生保・医療関係が31社、費用保険・その他が10社、ペット保険が6社となっている。また、少額短期保険業は生・損保の兼営が可能なため、両商品を取り扱っている会社もあり、69社全体の保有契約件数も464万件に上っている。
  ただ、各社の業績にはバラツキがあり、2011年度決算で単年度黒字となった会社もある一方で、医療関係の少額短期保険が1社廃業するなど多くの会社ではまだ経営が厳しいというのが現状だ。
  また、昨年2月には学総(株)とライズ少額短期保険が合併、アイアル少額短期保険として新たなスタートを切ったほか、今年3月にはペット少額短期保険のアイペットが損害保険会社の免許を取得、アイペット損害保険として損害保険会社に組織変更した。また、6月には少額短期保険会社登録第1号の日本震災パートナーズがSBIホールディングスの子会社となり、SBI少額短期保険へと商号変更を行なうなどの動きもある。
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