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ニーズの多様化に応え着実に成長する少額短期保険
保険ジャーナリスト / 「inswatch」編集人 石井 秀樹
  少額短期保険業界の2012年度の決算概況が判明した。少額短期保険会社は誕生以来7年が経過しているが、年々登録業者数を伸ばし、8月末現在で74社となっている。2012年度決算は71社(2013年3月末)の合計で保有契約件数は537万件(前年同期比11.7%増)、収入保険料で529億円(同5.2%増)とそれぞれ500万件、500億円の大台を突破、着実な成長を続けている。
  少額短期保険会社は生・損保の兼営が出来るのが特長の一つで、販売種目は家財保険、賠償責任保険、費用保険、ペット保険などの損害保険分野が47社、生命保険、医療保険分野が34社あり、いずれもニッチ市場を対象に保険会社にはないユニークな商品が数多く提供されている。
  種目別業績をみると少額短期保険の約半数近くを占める(31社)家財・賠責が約490万件、保険料収入約407億円、費用・その他が約6.7万件、保険料収入約8.5億円といずれも前年同期比二桁伸展している。また、ペット保険(7社)が約15万件(前年比25.9%増)、保険料収入約41.4億円(同31.0%増)と急伸している。一方、生保・医療分野は約25.9万件(同6.2%減)、収入保険料で約72.7億円(同4.7%減)とやや苦戦が見られる。
  また、設立後、日が浅い会社もあることから経営面では全体では3分の2強が黒字化しているが残りの会社は赤字というのが実態だ。ただ、好調な伸びを示すペット保険を中心に異業種からの参入意欲が強まっており、今後、一般消費者への認知度アップをいかに図るかが業界としての課題といえる。
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