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「第一生命のDIY生命買収」で進む大手生保の製販分離
保険ジャーナリスト / 「inswatch」編集人 石井 秀樹
  第一生命とNKSJホールディングスは2月14日、損保ジャパンの子会社である損保ジャパン・ディー・アイ・ワイ生命(以降、DIY生命)の全株式を第一生命に譲渡することで基本合意、また、併せて損保ジャパンは第一フロンティア生命の株式(所有割合10%)を第一生命に譲渡することで合意した。DIY生命については正式には今年6月中に譲渡契約が行われ、2015年度下期には新商品・サービスの提供を開始するとしている。
  第一生命は損保ジャパンと2008年に包括業務提携を行い保険商品の相互供給(販売の代理・代行)を行っているが、DIY生命についても同社の株式を10%保有、人材派遣をはじめ協力関係を強化してきた。
  第一生命は2013年〜15年度の新中期経営計画(Action D)に取り組んでいるが、その中で今後の成長市場・未開拓市場の取り込みについて、多様なチャネルや外部成長チャネル(保険ショップやWebチャネル)の活用を掲げている。今回の買収はこうしたマルチチャネル戦略を具現化するもので、今後、DIY生命を軸に銀行窓販(医療・第三分野商品)、来店型保険ショップなどニューチャネル・成長チャネルに対して商品・サービスを提供していくことになる。
  一方、NKSJホールディングスは傘下にNKSJひまわり生命を有し、医療保険や終身保険を主力商品として発売している。グループ内のDIY生命は毎年保障の見直しができる「1年組み立て保険」を販売してきたが、医療保険等の新たな商品提供についてはひまわり生命との重複になるため、傘下に2社ある生命保険会社の売却に踏み切ったものだ。
  大手生保の第一生命が本体におけるコンサル型商品の提供に加え、100%子会社として銀行窓販を主力とした第一フロンティア生命、ニューチャネル向けに商品供給するDIY生命とニーズと市場に対応した棲み分けを図ったことは今後注目される動きだ。
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