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ライフネット生命の保険料引き下げとネット生保の価格競争
保険ジャーナリスト / 「inswatch」編集人 石井 秀樹
  ライフネット生命が主力商品である「かぞくへの保険」(定期死亡保険)を改定するほか、「新じぶんへの保険」及び女性専用の「新じぶんへの保険レディース」(終身医療保険)を5月2日から発売した。今回の改定商品ならびに新商品は、従来商品に比べ死亡保険で保険料を平均7%(20代〜40代男性)引き下げたほか、医療保険では平均24%(全年代)引き下げるなど保険料の一層の低廉化を図ったものだ。
  ネット生保は2008年に現アクサダイレクト生命、ライフネット生命の2社が登場。シンプルな商品と格安な保険料を武器に若年層を中心に契約を拡大、2013年度第3四半期では、アクサダイレクト生命が保有契約件数で約5万2,000件、保有契約高で約4,000億円を計上。また、ライフネット生命が保有契約件数で約19万7,100件(2月に20万件突破)、保有契約高で約1兆6,600億円と順調な伸びを示してきたが、2013年度に入ってからの新規契約件数をみるとライフネット生命が前年同期比約13.9%減、アクサダイレクト生命が約37.5%減(2013年度第3四半期の前年同期比)と両社ともに成長の鈍化がみられてきている。
  ただ一方で、ネット生保の契約の急増を背景に既存の保険会社によるネット販売も拡大。前記2社以外でも、オリックス生命、楽天生命がネット専用の保険を販売したほか、メットライフアリコ、損保ジャパンDIY生命、AIG富士生命、チューリッヒ生命などが定期保険や医療保険のネット販売を開始するなど、ネットチャネルへの比重を高めてきている。
  こうした競争激化の中で今年3月のアクサダイレクト生命の保険料引き下げに続き、今回、ライフネット生命が保険料引き下げに踏み切ったことは、ネット生保の新たな低価格化競争への突入を予感させる。
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