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改正保険業法が成立、待ったなしの代理店体制整備
保険ジャーナリスト / 「inswatch」編集人 石井 秀樹
  5月23日に改正保険業法が参議院本会議で成立した。改正業法は公布の日から2年以内に政令で定める日から施行されることになっており、2016年春には施行となる見込みだ。 今回の保険業法改正は保険業界を取り巻く環境の変化――少子化・高齢化と人口の自然減少、国内市場の縮小による海外投資の拡大、保険募集チャネルの多様化等――に対応した法整備を図ろうというもので、金融担当大臣の諮問を受け平成24年6月以降、16回にわたり論議されてきた「保険商品・サービスの在り方等に関するワーキング・グループ」の報告(平成25年6月)を基本としている。
  改正内容は保険市場の活性化を目的とした規制緩和が図られる一方、保険の信頼性を確保する観点から保険募集についての基本的ルールの創設(「意向把握義務」及び「情報提供義務」の導入)や保険募集人に対する体制整備義務の導入が求められたというのが特長だ。特に保険代理店の事業運営では、従来、保険会社を対象としてきた行政による監督・規制・管理が、今後は保険会社のみならず保険募集人(代理店)についてもルール遵守の主体として位置づけられ、それぞれの責任において法律に定められた義務を果たすことが求められた。
  また、保険商品の比較推奨を行い保険を販売する乗合代理店については、前記プロセスに加え、提供・推奨する商品について該当する商品のすべてと、その中での推奨した理由の説明が求められることになるほか、さらに一定の条件を満たす代理店(乗合数の多寡や規模など)については業務報告書の提出が義務づけられた。このことは、これまで代理店に対して一律だった募集ルールについて、代理店の規模や業態などの特性によって異なる対応が求められるという点で、従来の在り方が大きく転換されることになった。
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