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超高齢化時代の保険金の支払い
保険ジャーナリスト / 「inswatch」編集人 石井 秀樹
  8月上旬、明治安田生命が90歳以上の契約者約1万2,000人を対象とした調査で、すでに契約者(被保険者)が死亡していたにもかかわらず、遺族に保険金が支払われていないケースが2割弱あったというニュースが報道された。
  また、第一生命も2013年度に91歳以上の契約者(約8,000件の契約)を対象とした調査で、連絡の取れた約7割のうち、数%に保険金を支払っていなかったことも報道された。
  今回の調査で対象となっていたのは90歳以上の高齢者で、保険会社からの年1回の通知を読まなかったり、契約者自身が認知症等を患っていたりするほか、保険会社への通知がされないまま転居、さらにすでに死亡しているなどの理由で保険金が請求されないままになっているものだったようだ。
  こうしたケースは両社に限らず各社でも少なからず存在するため、各社ともこれを機に支払いに向けた取り組みを一層強化する方針を打ち出しているほか、生命保険協会でも指針を作成する方向だという。ただ、今回の問題は死亡保険金に限らず高齢者に対する保険金・給付金支払いをどう全うして保険の役割を果たしてゆくのかという課題が問われるものでもあり、完璧な支払いに向けて業界あげての創意工夫が望まれる。
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