Home
>
業界・商品・コンサル等
> 注目の記事
商品研究「医療保険」
FPSクラブ編集部
● 医療保険は必要か?
最近、ファイナンシャルプランナー(FP)などの間で「民間の医療保険は本当に必要か?」という議論が盛んにされています。医療保険は病気やけがで入院や手術をしたときに、定額の給付金が出るタイプが主流で、例えば盲腸のような病気にかかったときに、手術をしたら10万円、入院をしたら1日あたり1万円の給付金が出るといったものです。こうした医療保険ではたとえ病気にかかっても、入院や手術をしなければ給付金は受け取れません。
実は患者の入院日数は年々短くなっています。厚生労働省の調査によると、全国の医療機関の入院日数は、9年間で平均4.3日ほど短縮し、一般病床では2011年時点で18日程度
※
。これでは生涯にわたって保険料を払い続けたとしても、1入院で18万円程度の給付金しかもらえないということもありえます。
その一方で、医療の高度化に伴い1入院あたりの自己負担額は増加傾向にあります。給付金が一定額しか出ないのであれば、入院費用の高額化への対応も十分とは言えないでしょう。
● 高額療養費制度や付加給付制度でカバーできる部分も多い
公的医療保険(健康保険)に高額療養費制度があることも、「医療保険が必要か」という議論では大事なポイントになります。高額療養費制度は文字通り高額の医療費を補助する制度で、どんなに高額な医療費を払っても、健康保険の適用内なら、1カ月の自己負担の上限は、一般的な所得の人なら9万円弱ですみます。
大手企業など一部の健康保険組合では、入院などで医療費の自己負担額が一定額(おおむね1カ月2万〜3万円)を超えた部分を給付する「付加給付制度」もあります。こうした制度を踏まえると、現在主流の医療保険で入院や手術のリスクに備えるのは本当に必要なのかという疑問が出るのは当然です。公的保障の給付でほとんどの費用が賄えるようなものは、一般的にリスクマネジメントの対象外と考えていいとも言えます。
※ これ以降は会員専用ページです