Home > 業界・商品・コンサル等 > データが語るアプローチトーク

アベノミクスで物価上昇!? インフレに負けない資産作り
CFP®/FPライフレックス 代表 高橋浩史
■  インフレになると資産が目減りする
  昨年末の政権交代をきっかけに、株高・円安基調が続いています。中でも、アベノミクス経済政策における3本の矢の一つ「金融緩和」政策は、消費者物価指数の対前年比上昇率の目標を2%に設定し、目標を達成するまで金融緩和を進めるとしています。
  つまり、金融緩和政策が目標通りの効果を生めば、長く続いたデフレが解消され、今後はインフレ基調となって物価は上がり、相対的にお金の価値は下がってしまうのです。
  一方で、預貯金や住宅ローンは相変わらずの低金利が続いています。金融緩和が今後も続くようであれば、一般的に金利の上昇要因にはなりませんから、資産運用という観点からは銀行の預貯金だけでは限界がありそうですね。
  物価の上昇率よりも預貯金金利が低い状態なら、実質的に資産の目減りになってしまいます。そのため、多くのお客さまがインフレになった時にも負けない資産作りについて関心を高めています。お客さまから相談されたときに適切なアドバイスができるよう、ここでは株高・円安を背景にした、株式や債券、投資信託、外貨建て商品などでの資産運用について見ていきましょう。
■  預貯金が中心の資産形成はリスクがある?
  では、実際に家庭ではどのような金融資産を持っているのでしょうか。
  金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」(2012年)で二人以上世帯の金融資産保有状況を見ると、保有額の平均値は1,108万円、中央値は450万円。内訳で見ると、預貯金が56.9%、有価証券(株式・債券・投資信託)は13.2%にすぎません。
  株価が戻りつつあるとはいえ、株式などには元本割れのリスクがありますから、預貯金しか持っていなかった人たちに、いきなり株式投資はハードルが高いでしょう。しかし、リスク性の資産を持つことは、物価や為替の変動など、経済情勢の変化に対応するための「基礎体力作り」とも言えます。
※ これ以降は会員専用ページです