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拡大なるか!? 医療機関等への
保険金直接支払いサービス
FPSクラブ編集部
  一般に入院給付金等は、利用者がまず医療機関にかかった治療費を支払い、その後保険会社に給付金を請求することになるが、治療費が高額になると、一時的ではあるが利用者の経済的負担が重くなることから、費用の工面を考えずには治療を受けられないといった問題が生じる。そこで、高額な治療費を利用者に代わって保険会社が直接、医療機関に払い込んでくれる「直接支払いサービス」を扱う保険会社がいくつか出てきている。これにより利用者は治療費の立て替えをすることなく安心して治療に専念できる。
■  住友生命が「先進医療給付金の医療機関あて直接支払い」を
開始
  住友生命では、平成26年6月24日より、先進医療給付金について、医療機関あてに直接支払いをするサービスを開始した。「新先進医療特約」に加入し、対応医療機関において「重粒子線治療」もしくは「陽子線治療」を受療し、利用者が希望した場合に、先進医療給付金が当該医療機関に直接支払われる。対応可能な医療機関は下記のとおりであるが、今後拡大していく予定という。
【直接支払いサービス対応の医療機関】
 医療機関名  治療方法
 筑波大学附属病院 陽子線医学利用研究センター  陽子線
 福井県立病院陽子線がん治療センター  陽子線
 名古屋市立西部医療センター陽子線治療センター  陽子線
 兵庫県立粒子線医療センター  重粒子線・陽子線
 九州国際重粒子線がん治療センター  重粒子
(平成26 年6 月24 日時点、将来変動する可能性あり)
  今回のサービス開始の背景には、平成25年6月7日に開催された金融審議会「保険商品・サービスの提供等の在り方に関するワーキング・グループ」(第16回)での報告が追い風となっている。報告書では、保険会社による「直接支払いサービス(保険会社が特定の財・サービスを提供する提携事業者を顧客に紹介し、顧客が提携事業者からの財・サービスの購入を希望した場合に、保険金を受取人ではなく当該事業者に対してその代金として支払うサービス)」の提供が法令上禁止されていないことが明確化された(報告書「新しい保険商品・サービス及び募集ルールのあり方について(案)」より)。
  一方、同審議会では同時に「生命保険における現物給付」型商品についても審議されていたが、保険会社の将来時点で提供する財・サービスの質の担保、またそれらの価格変動リスクへの対処などが課題であることから、こちらは引き続き検討課題となった。
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