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入院日額タイプ以外の商品が増加、
保障の多様化が進む医療保険(特約)
FPSクラブ編集部
  一般的な医療保険は、病気やけがで入院したり所定の手術を受けたときに、入院給付金日額×入院日数が支払われる入院給付金と、手術の種類等に応じて入院給付金日額×給付倍率が支払われる手術給付金をベースに、生活習慣病に備える保障、女性疾病に対する保障、長期入院に対する保障、先進医療に対する保障などが組み込まれていたり、特約として付加されている。
  しかし、医療を取り巻く環境は大きく変化していて、国の政策や医療技術の進歩などにともない入院日数の短期化が進み、退院後の通院治療へとシフトが進んでいる。その一方で、手術以外の治療や先進医療など「治療の多様化」や入院1日当たりの「自己負担の高額化」が進み、結果として、「入院日数に連動した医療保険(特約)」では、治療の実態と給付内容がマッチしていないケースも出てきている。
  そのため、入院日額タイプ以外の医療保険(特約)が各社から発売されるようになったので、本稿で整理してみよう。
■  診療報酬点数に連動して給付金が支払われる医療保障
  2009年5月に明治安田生命が、「入院中の治療費」には自己負担額に応じた保障を提供する新しい保障スタイルとして、公的医療保険制度における保険給付の対象となる入院をしたときに、診療報酬点数に連動して給付金が支払われる「入院治療保障特約」を発売した。診療報酬点数が算定されるものが支払いの対象となるため、入院日数や手術などの治療の種類に関わらず、公的医療保険制度の自己負担分をカバーできる。
入院治療保障特約V型(明治安田生命)
給付金名 支払事由 支払金額
入院治療給付金 病気またはけがで公的医療保険制度における保険給付の対象となる入院をしたとき 入院中の療養に係る診療報酬点数×3円
(1入院90万円、通算600万円限度)
※  V型のほかにU型(診療報酬点数×2円)、T型(診療報酬点数×1円)あり
  また、2012年10月にライフネット生命が、医療費自己負担連動タイプの医療保険「じぶんへの保険プラス(がん・先進医療保障付き)」を発売した。こちらは外来療養にも対応し、入院日数や治療の種類、入院・通院に関わらず、公的医療保険制度の自己負担分をカバーできる。
じぶんへの保険プラス(がん・先進医療保障付き)(ライフネット生命)
給付金名 支払事由 支払金額
入院療養給付金 病気やけがの治療を目的とした1泊以上の公的医療保険制度の保険給付の対象となる入院をしたとき 入院中の療養に係る診療報酬点数×3円
(外来療養給付金と合算して1か月あたり10万円限度)
外来療養給付金 入院療養給付金の支払事由に該当し、入院前30日間、退院後90日間に公的医療保険制度の保険給付の対象となる外来療養(日帰り入院を含む)を受けたとき 外来療養に係る診療報酬点数×1.5円
(外来療養給付金のみで1か月あたり5万円、入院療養給付金と合算して1か月あたり10万円限度)
※  ほかにがん治療給付金、先進医療給付金あり
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