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終身医療保険の競争激化、
三大疾病特約など特約も充実の傾向に
ファイナンシャル・プランナー 豊田 眞弓
  2015年は終身医療保険の改定や新商品の発売などが相次いだ。特徴的なものとして、2点挙げられる。1つは、三大疾病に備える特約などが充実する傾向が見られる点で、もう1つは、付帯サービスを付けていなかった保険会社も、ここへきて付帯サービス付加に踏み切った点だ。
  脳卒中の平均在院日数が脳内出血で126.9日(厚生労働省「平成23年患者調査」)などと長いことも知られるようになってきたが、アフラックが独自に行ったインターネットの調査(2014年7月)では、「医療保険に必要と考える保障」として、入院、手術、通院に続いて三大疾病の保障が挙げられていたという。がんだけでなく、急性心筋梗塞や脳卒中をリスクの高い疾病と認識する生活者が増えたことが、三大疾病特約などを充実させる終身型医療保険の増加の背景にはあるようだ。
  付帯サービスについては、保険業法改正も影響していると考えられる。2016年5月より、商品の比較推奨販売を行う場合は、取扱商品のうち比較可能な商品の一覧と特定商品の提示・推奨を行う理由に関する情報の提供も義務付けられる。保険会社としては、「付帯サービスがない」という理由で候補商品から外される事態を避けたいと考えたのではないかと推察する。
  三大疾病に関する特約や付帯サービスを新設した終身医療保険の例として、アフラックとオリックス生命を取り上げる。9月16日に終身医療保険を発売したアクサダイレクト生命も参考までに見ておこう。
■  アフラック「ちゃんと応える医療保険EVER」 特約・付帯サービス新設
  アフラックは終身医療保険「ちゃんと応える医療保険EVER」に付加できる3つの特約、「三大疾病一時金特約」、「三大疾病保険料払込免除特約」、「三大疾病無制限型長期入院特約」を発売(6月22日)。三大疾病にかかった場合の高額な治療費や収入減などの経済的負担に備える保障を強化した。また、付帯サービスとして「ダックの医療相談サポート」も新設された。
<新設された三大疾病の特約>
特約名 概要
三大疾病一時金特約 がん・急性心筋梗塞・脳卒中で所定の状態になった場合に一時金を支払う。2年に1回を限度に、回数無制限
三大疾病保険料払込免除特約 三大疾病で所定の事由に該当した場合は、以後の保険料が免除される
三大疾病無制限型長期入院特約 一部の傷病において入院が長期にわたるケースがあるため、長期入院を保障。三大疾病による入院は日数無制限で、三大疾病以外の入院は365日まで保障
<新設された付帯サービス「ダックの医療相談サポート」>
サービス名 概要 対象
24時間健康電話相談サービス(提供:株式会社ウェルネス医療情報センター) 健康や医療に関する相談に、看護師などの医療専門スタッフが24時間365日、電話で応えてくれる 契約者と
その家族
セカンドオピニオンサービス(提供:株式会社法研) 全国の優秀な医師の中から最適な医師を選んで紹介する。セカンドオピニオンの受診費用(相談料・診断料)は保険会社が負担 被保険者
治療を目的とした専門医紹介サービス
(提供:株式会社法研)
医師同士の相互評価で一定の評価を得た全国の優秀な医師のなかから、最適な医師を選んで紹介する 被保険者
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