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終身介護保障がついた終身保険が
銀行窓販商品として注目
ファイナンシャル・プランナー 豊田 眞弓
  2025年には要介護・要支援の認定者が800万人を超えるとみられている。介護に不安を感じる人も多く、(公財)生命保険文化センター「生活保障に関する調査(平成25年度)」では、自分の介護に対して「非常に不安」「不安」との回答が、女性74.4%、男性67.0%となっている。しかし一方で、なかなか手が回らない、またはどのように備えてよいかがわからずに要介護リスクが放置されている現状もある。
  そこで、今回は各社が介護保険の販売に難航する中でも、銀行窓販で注目された介護保険商品を取り上げる。
■  所定の要介護状態になると終身で介護年金が受け取れる
  今回取り上げるのは、2014年3月に発売された太陽生命の無配当終身生活介護年金保険(低解約払戻金型)(002)「My介護Best」と、2015年8月発売の明治安田生命の5年ごと利差配当付介護終身年金保障保険「パイオニアケアプラス」(銀行窓販ペットネーム:「やさしさ二重奏」「終身ケアプラス」)だ。
  全期前納と一時払い、要介護度2以上か3以上かなど細部の違いはあるものの、所定の要介護状態になると終身で介護年金を支払うという点は共通する。
  ちなみに、要介護期間の平均は、(公財)生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査(平成24年度)」によると要支援も含め4年9カ月。とはいえ、長期化するリスクもあるので、「生存している限り介護年金が支払われる」という点は安心につながる。しかも、その後要介護度が下がっても支払われるのだ。
  また、要介護状態にならずに亡くなる場合も想定される。その場合は、支払保険料を上回る死亡給付金が支払われ、死亡保険金の非課税枠(法定相続人の数×500万円)も活用できる。
  さらには、要介護状態にならずに長生きして生活資金が不足した場合などは、解約することで解約返戻金を受け取ることも可能だ(払込保険料合計額を下回る場合もあるので確認を)。
  要介護状態になれば終身年金、ならずに亡くなれば死亡給付金、元気で長生きして生活費が不足すれば解約して返戻金が受け取れるなど、使い勝手の良い商品と言える。
  なお、1年9カ月の販売実績がある太陽生命「My介護Best」の契約者を見てみると、30代から60代の契約者が多く、特に40代・50代で6割を占めている。男女別では8割近くが女性で、独身者は3割強。介護を身近に感じる機会が多い女性の方が、介護リスクに対処を始めていると読むこともできる。
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