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 特 集 
「役員退職慰労金」を極める!
【上級編】 その3
1級ファイナンシャルプランニング技能士/株式会社シャフト 代表取締役 吉光 隆
【分掌変更による「みなし退職」とは?】
  退職手当とは、会社を退職することを原因として支払われる金銭等のことをいいます。
(所得税基本通達)
第30条−1 退職手当等とは、本来退職しなかったとしたならば支払われなかったもので、退職したことに基因して一時に支払われることとなった給与をいう。
  しかし会社を退職しないでも、退職手当(退職金)として取り扱う特例があります。必ずしも会社を辞めなくても、実質的に会社を辞めたのと同様とみなされるケース(=みなし退職)などでは、会社が役員に支払った給与は、『退職手当』として取り扱える場合があります。その根拠が次の条文です。
(所得税基本通達)
第30条−2 引き続き勤務する役員又は使用人に対し退職手当等として一時に支払われる給与のうち、次に掲げるもので、その給与が支払われた後に支払われる退職手当等の計算上、その給与の計算の基礎となった勤続期間を一切加味しない条件の下に支払われるものは第30条−1にかかわらず退職手当等とする。
―(1)(2)は省略―
(3)役員の分掌変更等により、例えば、常勤役員が非常勤役員になったこと、分掌変更等の後における報酬が激減(おおむね50%以上減少)したことなどで、その職務の内容又はその地位が激変した者に対し、当該分掌変更等の前における役員であった勤続期間に係る退職手当等として支払われる給与。
  「分掌変更」とは、「仕事の分担の大きな変更」を意味し、単なる形式的な役職変更(例えば社長→専務)ではなく、仕事の内容も大きく変更することをいいます。
  同時に「みなし退職」として認められる役職には、会社にいても重要な決定にかかわらないと考えられる地位……例えば、監査役とか相談役(会長などは決定権ありとみなされます)が該当します。勤務状態で見れば、常勤から非常勤になることなどを意味しています。
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