>  今週のトピックス >  No.2402
4月から15%となる中小法人の軽減税率に経過措置
● 法人税の軽減税率は3年間の時限措置
  2011年度(平成23年度)税制改正に伴う租税特別措置法の改正において、2012年4月1日以後に開始する事業年度から、普通法人に係る法人税の基本税率が25.5%(改正前30%)に引き下げられる。資本金等の額が1億円以下の中小法人等の軽減税率についても、基本税率とのバランスや個人事業主の所得税負担水準とのバランス等を考慮して、15%(同18%)に、また、法人税法における軽減税率についても19%(同22%)に引き下げられる。
  15%の軽減税率は、中小法人等の所得金額のうち年800万円以下の部分に適用されるもので、2012年4月1日から2015年3月31日までの間に開始する事業年度に適用される時限措置である。
● 改正をまたぐ事業年度に経過措置
  一方、軽減税率を18%と定めている旧措置法は、2012年3月31日までに終了する事業年度までしか軽減税率の適用を認めていない。このため、2012年4月1日前に開始し、同日以後に終了する事業年度は軽減税率の適用が受けられないことになる。
  そこで、2011年度税制改正では、附則において中小軽減税率引下げの経過措置が設けられ、2012年4月1日前に開始し、かつ、同日以後に終了する事業年度においても、現行の18%の軽減税率が適用できるように措置されている。この経過措置の対象は、3月決算法人以外の中小法人等となる。
● 復興特別法人税を加味した実質的な中小軽減税率は16.5%
  なお、2012年4月1日以後に開始する事業年度については、以後3年間、復興特別法人税が課される。
  東日本大震災の復興財源を確保するための復興特別法人税による10%上乗せが、2012年4月1日から2015年3月31日までの間に開始する事業年度に適用されるため、復興特別法人税を加味した改正後の実質的な税率は、普通法人の基本税率が28.05%(=25.5%+25.5%×10%)に、中小法人の軽減税率のみ適用されている場合は16.5%(=15%+15%×10%)となる。
  
浅野 宗玄(あさの・むねはる)
株式会社タックス・コム代表取締役
税金ジャーナリスト
1948年生まれ。税務・経営関連専門誌の編集を経て、2000年に株式会社タックス・コムを設立。同社代表、ジャーナリストとしても週刊誌等に執筆。著書に「住基ネットとプライバシー問題」(中央経済社)など。
http://www.taxcom.co.jp/
○タックス・コム企画・編集の新刊書籍「生命保険法人契約を考える」
http://www.taxcom.co.jp/seimeihoujin/index.html
  
2012.04.02
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