>  今週のトピックス >  No.2403
4月1日以後の取得資産から「200%定率法」導入
● 定率法の償却率の見直し
  法人税率の引下げに伴う財源確保のため、定率法の償却率が見直される。
  法人の有する減価償却資産について定率法を選択している場合*1において、平成24年4月1日以後に取得する減価償却資産に適用される償却率が、定額法の償却率を2.5倍(250%定率法)したものから、定額法の償却率を2倍(200%定率法)したものに引下げられる。これにより、償却できるスピードはダウンする(トータルとしての償却費は同じ)。以下の改正は、原則として平成24年4月1日以後に終了する事業年度の法人税から適用される。
  また、償却率の改正に伴い、改定償却率および保証率についても改正される。
● 経過措置は2つ
  実務の便宜上、2つの経過措置が設けられている。
(1) 250%定率法に合わせる方法
  平成24年4月1日前に開始し同日以後に終了する事業年度(改正をまたぐ事業年度)において減価償却資産を取得した場合、その取得日に応じて250%定率法と200%定率法のそれぞれの償却方法により償却を行うのが原則である。
  しかし、改正をまたぐ事業年度において取得する減価償却資産について定率法が適用されるものについては、平成24年4月1日以後に取得したものであっても、平成24年3月31日以前に取得したものとみなして、250%定率法により償却することができる。
  これにより、改正をまたぐ事業年度において取得した減価償却資産については、すべて250%定率法により償却することができることになる。
  なお、こちらの特例措置は法人が任意に選択することができ、税務署への届出は不要である。
(2) 200%定率法に合わせる方法
  法人が平成19年4月1日から平成24年3月31日までの間に取得した減価償却資産につて定率法を選択している場合、改正をまたぐ事業年度または平成24年4月1日以後最初に開始する事業年度のいずれかの事業年度以後は、その減価償却資産のすべてを平成24年4月1日以後に取得したものとみなして、200%定率法により償却することができるというものである。
  なお、こちらの特例措置は、平成24年4月1日の属する事業年度の確定申告書の提出期限までに、税務署に「200%定率法の適用を受ける旨の届出書」を提出しなければならない。
  経過措置は2つあるが、中小企業の場合は経過措置の1つ目である250%定率法に合わせるほうが、実務上、手間もかからず有利である。
*1 償却方法を届け出なかったために法定償却方法である定率法により償却を行うこととされる場合を含む。
参考: 「平成23年12月改正 法人の減価償却制度の改正に関するQ&A」(平成24年2月 国税庁)
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/hojin/kaisei_gaiyo2011/pdf/1112kaisei_faq.pdf
  
今村 京子 (いまむら・きょうこ)
マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士
三重県出身。金融機関・会計事務所勤務を経て現法人へ。平成15年6月税理士登録。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。
プライベートでは、夫は税理士の今村 仁で2女の母。趣味は歌舞伎鑑賞。
マネーコンシェルジュ税理士法人
◎私たちは「経営者へのお役立ち度★世界一」の税理士事務所を目指します!
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2012.04.05
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