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トライアル雇用奨励金の対象が拡充
● トライアル雇用は、企業側にも労働者側にもメリットが
  試行雇用(トライアル雇用)とは、公共職業安定所(ハローワーク)の紹介によって特定の労働者を短期間(最大3か月)の試用期間を設けて雇用し、企業側と労働者側が相互に適性を判断した後、両者が合意すれば本採用が決まるという制度である。
  公共職業安定所長がトライアル雇用を実施することが適当であると認める者を対象に事業を行ってきたが、この4月、若年者等に関してトライアル雇用開始時の年齢を「40歳未満」から「45歳未満」へと拡大した。これに伴い、企業に支給されるトライアル雇用奨励金も変更になるので、今回は改正内容とあわせて、奨励金受給のための要件について確認しておく。
● トライアル雇用奨励金の主な要件
  トライアル雇用奨励金の主な要件とは、以下に該当する者のうち、試行雇用を経ることが適当であると公共職業安定所長が認める者を、公共職業安定所の紹介により試行的に短期間(原則3か月)雇用することである。
45歳以上の中高年齢者(原則として雇用保険受給資格者又は被保険者資格の喪失日の前日から起算して1年前の日から当該喪失日までの間に被保険者であった期間が6か月以上あった者)
45歳未満の若年者等(これまでは40歳未満)
母子家庭の母等
季節労働者(厚生労働大臣が指定する地域・業種に従事する者であって、各年度の10月1日以降に特例受給資格者として離職した65歳未満の者)
中国残留邦人等永住帰国者
障害者
日雇労働者・住居喪失不安定就労者・ホームレス
● 45歳未満の若年者等の年齢以外の要件
  上記Aで対象となる若年者等について、45歳未満という年齢以外の要件は、以下のいずれかの要件を満たし、なおかつハローワークの所長がトライアル雇用が適当であると認めた者であること。
  1. 学校卒業後未就職など、職業経験のない人
  2. 職業経験が浅く、かつ、これまでに経験のない職種または業務で長期的に安定した就業を希望する人
過去5年間に、同一事業主の下で3年以上連続した雇用保険被保険者期間がなく、かつ、これまでの職業経験などでは希望する仕事に対応できないと判断された場合
  3. 過去の相当期間、失業している人
直近で1年を超えて就業(正社員以外の就業形態含む)していない場合
  トライアル雇用では、試行雇用期間に対応して、対象労働者1人あたり月額最大4万円(最大3か月間で計12万円)の奨励金を事業主が受け取ることができる。企業は、試用雇用期間に労働者の適性や能力を見極め、正規雇用への移行の判断をすることができるので、大いにトライアル雇用制度を有効活用していただきたい。
参考:東京労働局 「若年者等トライアル雇用」のご案内(事業者向け)
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/var/rev0/0038/2470/201242395832.pdf
  
庄司 英尚 (しょうじ・ひでたか)
株式会社アイウェーブ代表取締役、庄司社会保険労務士事務所 所長
社会保険労務士 人事コンサルタント
  福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。
公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/
  
  
2012.05.07
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