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4月から「フラット35」の制度が変更に
  1990年頃には8%もあった住宅ローン金利だが、低金利の続く今では変動金利なら1%を切る銀行も出るなど、住宅ローンの獲得競争も激しさを増している。住宅金融支援機構「民間住宅ローン利用者の実態調査 金利タイプ別利用状況(平成24年2月期)」によると、借りた住宅ローンの金利種類別割合は、変動型52.6%、固定期間選択型27.4%、全期間固定型20.0%となっている。その中で、全期間固定型の代表である「フラット35」の制度の一部に、4月から変更点があったので、あらためて確認してみる。
● 融資率の上限と金利引下げ期間が変更に
  フラット35の平成24年4月1日以後申込み分からの変更ポイントは2つある。
1. 「フラット35」「フラット35Sベーシック」の融資率の上限変更
・建設費または購入価額の10割 → 9割に引下げ
2. 「フラット35Sベーシック」の金利引下げ期間の変更
・「フラット35Sベーシック」(金利Aプラン)当初20年間 → 当初10年間
・「フラット35Sベーシック」(金利Bプラン)当初10年間 → 当初5年間
  つまり、上記のフラット35であれば、これまでは諸費用を別にすれば頭金ゼロで住宅が購入できたわけだが、4月からは頭金を1割は用意しなければならなくなった。「フラット35Sエコ」については、今回制度の変更はない。
● 多くのバリエーションがあるフラット35
  一定の技術基準をクリアした住宅を取得した場合に、借入金利を一定期間引き下げてくれるのが「フラット35S」だが、平成23年度第3次補正予算の成立以降、省エネルギー性に優れた住宅に適用される「フラット35Sエコ」と、耐震性・バリアフリー性に優れた住宅に適用される「フラット35Sベーシック」に分かれた。 さらに、「フラット35Sエコ」については、東日本大震災の「被災地」と「被災地以外」では金利の引き下げ幅も違うため、住宅ローンコンサルティングの際には注意が必要だ(詳細については下記、住宅金融支援機構のホームページを参照)。
  変動金利とは違い、将来の返済計画、家計の資金計画をある程度確定できるという面では固定金利のフラット35は安心感がある。
  また、フラット35は団信(団体信用生命保険)が任意加入のため、年齢や健康状態によっては収入保障保険を団信として利用すると、保険料の面で有利になる場合もある。お客様からの質問に的確に答えられるよう、いま一度制度の確認をしてみてはいかがだろうか。
参考:住宅金融支援機構フラット35サイト:http://www.flat35.com/index.html
  
高橋浩史 (たかはし・ひろし)
FPライフレックス 代表(住まいと保険と資産管理 千葉支部)
日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFP®
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
東京都出身。デザイン会社、百貨店、広告代理店などでグラフィックデザイナーとして20年間活動。その後、出版社で編集者として在職中にファイナンシャル・プランナー資格を取得。2011年独立系FP事務所FPライフレックス開業。
住宅や保険など一生涯で高額な買い物時に、お金で失敗しないための資金計画や保障選びのコンサルタントとして活動中。その他、金融機関や出版社でのセミナー講師、書籍や雑誌での執筆業務も行う。
ホームページ http://www.fpliflex.com
ブログ http://ameblo.jp/kuntafp/
  
  
2012.05.07
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