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母子家庭自立支援給付金事業〜母子家庭の母の就業を支援〜
  厚生労働省では、母子家庭の母の経済的な自立を支援するため、自治体と協力して就業支援に取り組んでいます。
  母子家庭の母は、家事や育児に追われ就業経験が乏しい人が多いことなどから、生計を支えるための充分な収入を得ることが困難なケースが顕著です。そこで、平成15年より「母子家庭自立支援給付金事業」が全国約800の自治体で実施されています(平成22年度)。
  昨今、低年齢での離婚が増えていることから、約3割が20歳代で母子世帯になっているという状況です。そうした母の就業を支援する本制度の積極的な活用が望まれます。

● 母子家庭自立支援給付金事業の概要
(1)自立支援教育訓練給付金事業
  母子家庭の母の主体的な能力開発の取り組みを支援するもので、雇用保険の教育訓練給付の受給資格を有していない人が対象教育訓練を受講し修了した場合、経費の20%(4,001円以上で10万円を上限)が支給されます。支給については、受講前に都道府県等から講座の指定を受ける必要があります。
  @対象者(要件)
     児童扶養手当の支給を受けている又は同様の所得水準にあること
   雇用保険法による教育訓練給付の受給資格を有していないこと
   就業経験、技能、資格の取得状況や労働市場の状況などから判断して、当該教育訓練が適職に就くために必要であると認められること
  A対象となる講座
     雇用保険制度の教育訓練給付の指定教育訓練講座(パソコンや簿記などの事務関連や、ホームヘルパーなど専門的な資格まで種類はさまざま)
     その他、上記に準じ都道府県等の長が地域の実情に応じて対象とする講座
(2)高等技能訓練促進費等事業
  母子家庭の母が看護師や介護福祉士等の資格取得のため、2年以上養成機関で修業する場合に、修業期間中の生活費の負担軽減のために、「高等技能訓練促進費」が支給されるとともに、入学金の負担軽減のため「入学支援修了一時金」が支給されます。
  @対象者(要件)
     児童扶養手当の支給を受けている又は同様の所得水準にあること
   養成機関において2年以上のカリキュラムを修業し、対象資格の取得が見込まれること
   仕事または育児と修業の両立が困難であること
A支給額・期間
    ・高等技能訓練促進費
                 支給額: 月額100,000円<市町村民税非課税世帯>
月額70,500円<市町村民税課税世帯>
                 支給期間: 修業期間の全期間(上限3年)
    ・入学支援修了一時金
                 支給額: 50,000円<市町村民税非課税世帯>
25,000円<市町村民税課税世帯>
                 支給期間: 修了後に支給
B対象となる資格
  就職の際に有利となるものであって、かつ法令の定めにより養成機関において2年以上のカリキュラムを修業することが必要とされる者について都道府県等の長が指定したもの
  例:看護師、介護福祉士、保育士、理学療法士、作業療法士など

  詳細については、お住まいの自治体の窓口にてご相談下さい。
参考:厚生労働省「母子家庭自立支援給付金事業について」
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/koyou/bosikatei/1.html
  
野上 幸彦 (のがみ・ゆきひこ)
野上社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士
オーディオメーカー、建設コンサルティング、フードサービス業界での人事・営業職の経験を経て、平成19年に野上社会保険労務士事務所を設立。多業種経験を活かした人事・労務コンサルティングを行っている。
nogami-sr0021@st-paul.gr.jp
  
  
2012.05.28
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