>  今週のトピックス >  No.2437
源泉所得税の納期特例の注意点
● 7月10日に向けて、準備を始めよう
  企業や個人事業主においては、6月に入ると、そろそろ準備しておかなければならないことがある。それは、「源泉所得税の納期の特例」、「労働保険料の申告」、「社会保険料の算定基礎届」の3つである。この3つの手続きは、全て期限が7月10日となっている。時期が重なるため、直前で慌ただしくならないように、順次進めていって頂きたい。また、算定基礎届は届出だけで支払いは必要ないが、納期特例の源泉所得税と労働保険料の申告については支払いが必要なため、資金繰りにも注意が必要である。
● 納期特例の対象にならないものに注意
  源泉所得税については、給与等を実際に支払った月の翌月10日までに納付するのが原則である。ただし、給与の支給人員が常時9人以下の源泉徴収義務者については、源泉徴収した所得税を6ヶ月分まとめて納付できる。これが、源泉所得税の納期の特例である。
  この特例を受けるためには、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出しなければならない。この申請書を提出した場合、申請書を提出した翌月に源泉徴収する所得税から納期の特例が適用になる。申請書の提出月に源泉徴収した所得税については、特例の対象とはならず、原則通り翌月10日までに納付しなければならない。
  特例の対象としてまとめて納付できるのは、給与・退職金から源泉徴収した所得税と、税理士、弁護士、司法書士等の一定の報酬から源泉徴収した所得税に限定されている。それ以外の報酬等から源泉徴収した所得税については、毎月納付しなければならないので、注意して頂きたい。
● 平成24年度税制改正で来年1月の納期限は延長
  なお、今回の7月10日の納期特例には影響しないが、平成24年度税制改正で、納期の特例により7月から12月までの間に支払った給与等及び退職手当等につき徴収した所得税の納期限が延長され、翌年1月20日となった。上記の改正は、平成24年7月1日以後に支払うべき給与等及び退職手当等について適用されるため、来年1月の納期特例の納期限は、平成25年1月20日となる。
  
村田 直(むらた・ただし)
マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士
大阪府茨木市出身。大学卒業後、会計事務所勤務を経て現法人へ。平成22年3月税理士登録。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。
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2012.06.07
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