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介護タクシーを使って、行動範囲を広げよう
  要介護の認定を受けている場合、本人も家族も外出時に不安を抱えることも少なくありません。そのような場合には移動アシストのプロである介護タクシーの力を借りて、行動範囲を広げてみてはいかがでしょうか?
● 介護タクシーってどんなタクシー?
  そもそも介護タクシーは制度上の名前ではありません。介護保険上の名前は、「通院等乗降介助」となっており、通院までに必要な行為について定められている介助をするタクシーのことをいいます。
  一般のタクシーとの大きな違いは、通院等のためにホームヘルパーが運転し、車両への乗車や降車の介助を行なうというもの。ホームヘルパーの資格を持ったドライバーですので、外出前の清拭や排泄介助や食事の介助なども行ないます。1人での移動であっても安心ですね。
● 料金は自己負担額とタクシー料金
  なかなか便利な介護タクシーですが、その分、料金が高くなるのでは?と心配する人も少なくありません。しかし、介護タクシーは介護行為をするための訪問介護のひとつ。したがって、利用者は介護保険を利用することができます。
  とはいえ、すべての金額が自己負担1割の対象となるのではなく、基本料金の1,000円(地域によって異なる)のみが1割負担の対象に。つまり、自己負担額の100円と移動距離に応じたタクシー料金を支払うだけでOKなんです。これならそれほど、高くないですよね?
  通院等の外出までの事前準備として20分以上の排泄介助や食事介助が必要な場合には、身体介助になります。一般的な費用は、2,540円の1割の254円が自己負担となります。
● 生活必需品なら買い物にも利用可能
  通院等に利用可能な介護タクシーですが、「等」ですので、生活必需品の買い物などで利用することや、役所や金融機関の手続きの際にも利用できます。日常生活に必要な行動をアシストしてくれるのは、利用者にとっては心強い味方になるのではないでしょうか?
  ただし、趣味に関するお稽古事や旅行、お見舞いに出かけるときには介護タクシーは利用できません。判断に迷うような利用の場合には、ケアマネージャーに用途について相談するといいでしょう。
  介護保険を利用していても、まだ十分に活用できていないサービスも多いのではないでしょうか?要介護者の移動に困ったら、介護タクシーの利用を検討することをオススメします。
  
飯田 道子(いいだ・みちこ)
海外生活ジャーナリスト/ファイナンシャル・プランナー(CFP)
  金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっている。主な著書には、「宅建資格を取る前に読む本」(総合資格)、「介護経験FPが語る介護のマネー&アドバイスの本」(近代セールス社)などがある。
  海外への移住や金融、社会福祉制度の取材も行う。得意なエリアは、カナダ、韓国など。
  
2012.06.07
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