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自然災害への備えに火災保険
● 住宅購入時は火災保険への理解も大切
  今年も梅雨の季節がやってきた。それとともに、今後は台風シーズンにもなることから、強風や雷雨等への自己防衛策も必要だ。直近では、5月に茨城県や栃木県で竜巻が発生し大きな被害が出るなど、自然の猛威をあらためて痛感させられた。
  このような、自然災害や火事のリスクに備えるのが火災保険。多くの場合、火災保険に入るタイミングは住宅購入時ではないだろうか。
  特に初めてのマイホーム購入時には、住宅ローンや入居準備の慌ただしさに追われ、火災保険の補償内容を十分に理解できないまま、勧められたプランに加入しているケースがあるかもしれない。
  そこで、火災保険の補償についてポイントを見てみよう。
● 自然災害時にも火災保険で補償
  まず、おおまかな火災保険の特長をまとめてみる。
  ・ 補償は建物と家財、両方に付けられる
  ・ 火事だけでなく風雨による被害も補償される
  ・ 地震による火災被害は補償がない(ただし、地震火災費用保険金により、建物の場合半焼以上で保険金額の5%相当額が支払われる)
  火災保険は建物だけでなく、家具や家電、食器・衣類などの家財にも補償を付けることができる。火事で全焼した場合など、住宅の再建費用も大切だが、生活していくためには家財も欠かせないものだ。
  一戸建ての場合、建物本体だけでなく、門や塀なども建物の範囲に含めることができる。マンションの場合は、あくまで自分自身の部屋である「専有部分」だけが火災保険の補償対象となり、エントランスや廊下などの「共用部分」は、マンションの管理組合で火災保険に入ることになる。
  また、火災保険は火事のリスクだけでなく、冒頭で述べた強風や雷雨等などの自然災害のリスクにも対応している。もし竜巻で住宅に被害があった場合には、風災補償から保険金が出る。
  さらに、豪雨などの場合に発生しやすい土砂崩れで住宅に被害を受けた場合はどうか。この場合は水災補償から保険金を受け取ることができる。
  最後に、上記の通り、地震が原因の火災被害の場合には原則として十分な保険金は出ない。保険販売に携わる者であれば当たり前の知識でも、一般の相談者には理解されていないケースがあるため、火災保険とセットで加入する地震保険についての説明も必要であろう。信頼を得るためにも、一言付け加えたい必須のアドバイスポイントだ。
  
高橋浩史 (たかはし・ひろし)
FPライフレックス 代表(住まいと保険と資産管理 千葉支部)
日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFP®
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
東京都出身。デザイン会社、百貨店、広告代理店などでグラフィックデザイナーとして20年間活動。その後、出版社で編集者として在職中にファイナンシャル・プランナー資格を取得。2011年独立系FP事務所FPライフレックス開業。
住宅や保険など一生涯で高額な買い物時に、お金で失敗しないための資金計画や保障選びのコンサルタントとして活動中。その他、金融機関や出版社でのセミナー講師、書籍や雑誌での執筆業務も行う。
ホームページ http://www.fpliflex.com
ブログ http://ameblo.jp/kuntafp/
  
  
2012.06.14
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