> 今週のトピックス > No.2447 |
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法人の実効税率を切り口とした保険提案 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
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![]() ● 法人への提案は、実効税率を考慮した保険金額で
法人が保険金を受け取った場合は、雑収入(保険料積立金または前払保険料がある場合は、それらを控除した金額)として課税対象となり、法人税のほかに法人住民税や法人事業税等が課税される。そのため、法人に対して提案を行う際には、法人に対するすべての課税の要素を加味した実効税率をもとに、課税分を反映させるための必要倍率を「100%÷(100%−実効税率)」によって算出し、「必要な保障金額×必要倍率」にて算出された保険金額を提案する必要がある。
![]() ● 実効税率とは何か
そもそも法人の実効税率とは、法人に対して課税される税金、つまり、法人税、法人住民税(法人税割)、法人事業税および地方法人特別税をすべて加味した課税所得に対する税率をいう。ただし、各税目の課税対象の違いがあるために単純に税率の合計とはならず、さらには法人事業税および地方法人特別税が損金算入されることを考慮して計算する必要がある。具体的には、次のような計算式にあてはめて算出する。
![]() ![]() ![]() 法人税率=25.5%、 法人住民税率(都道府県民税+市町村民税)=17.3%(標準税率)、 法人事業税の税率=5.3%(普通法人の最高税率での標準税率)、 地方法人特別税率=81%(外形標準課税法人以外の場合の税率)の場合、 単純合計した「表面税率」は 25.5%+(25.5%×0.173)+(5.3%+5.3%×0.81)=39.50%となるが、 「実効税率」は、損金算入される(5.3%+5.3%×0.81)分を考慮して、 39.50%÷(1+0.096)≒36.04%となる。 実際の実効税率は、法人の種類や所得金額、法人の所在地による地方税率の違いによって変化し、また、法人事業税や地方特別法人税は前年度分が損金算入されるため、上記の計算値は一応の目安として理解しておくこととなる。 ![]() ● 法人税率の改正と復興特別法人税の創設による影響
平成23年度税制改正では、平成24年4月1日以降に開始する事業年度の法人税率が、普通法人の場合30%から25.5%に軽減される一方、復興特別法人税が期間限定で創設され、法人税の基準法人税額を課税標準として10%の税率で課税されることとなった。復興特別法人税率を加味した法人税率は、25.5%×(1+0.1)=28.05%となる(復興法人特別税は、平成24年4月から平成27年3月までの期間内に最初に開始する事業年度の開始日から以後3年を経過する日までの期間内の日が属する事業年度において課税される)。
その結果、復興特別法人税を加味した実効税率は次のようになる。そのため、保険提案の際に考慮すべき法人税を加算した保険金額を算出するための必要倍率も変化することとなる。 ![]()
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仮に税引き後で1億円が必要であれば、平成24年4月以降開始の事業年度においては、1億円×1.63=約1億6,300万円の保険金額の設定が必要となる。
平成23年度税制改正によって法人税率が段階的に軽減されることに伴い、実効税率も下がり、必要倍率も逓減することになる。法人に対し事業保障準備資金として保険を提案する際は、実効税率に即した保険金額の提案が必須であるが、今後も法人税改正の動向に関わる情報を法人のお客様にお届けすることで、提案の切り口として活用いただければ幸いである。
*本稿の内容は、2012年6月1日現在の税制によります。
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2012.06.25 |
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