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韓国で楽しみながら身体も元気に
  韓国ドラマを見ていると、韓国は医療内容が充実かつ費用が安いという内容が描かれていることがあります。本当? という好奇心から、実際に現地で取材を敢行してみました。
● さまざまな言語に対応する韓国の病院
  韓国はIT産業がとても盛んなようで、医療ロボットの性能がとても良いとのことです。そのため、がんや甲状腺関連の治療の際には、大いに力を発揮しているそう。
  ドラマの中ではアメリカと比較されることが多いのですが、実際に同じ治療を受けた場合には、韓国での医療費はアメリカでかかる費用の1.5割から2割程度で済むそうで、治療費が安いというのも大きなウリとなっています。
  たとえば日本人に人気のソウルには、通訳コーディネーターが常駐する「ソウル聖母病院 国際診療センター」があります。39の診療科と専門医療サービスを行う169の特殊クリニックからなる韓国有数の総合病院で、韓国語の他、日本語、英語、中国語、ロシア語が通じるので、安心して治療が受けられます。
● メディカル・ツアー広報センターで病院をコーディネート
  韓国では積極的に外国人の患者を受け入れており、首都のソウル、釜山(プサン・韓国第一の港湾都市)、仁川(インチョン・釜山に次ぐ港湾都市)に「メディカル・ツアー広報センター」を設置。このセンターには語学が堪能なスタッフが常駐しており、日本語で治療の相談にのってもらえます。
  釜山のセンターは、メディカル・ストリートと呼ばれる病院が集まっているエリアに設置されており、その場で予約をしてくれ、治療の内容によっては、すぐに診察を受けることも可能になります。
  気になる料金ですが、例えば釜山のイサム内科で甲状腺の手術をする場合、甲状腺切除+入院7泊8日で600万ウォン(日本円で42万円)となります。
  釜山総合検診センターで人間ドックを受ける場合、がん、心疾患のほか眼科や婦人科の診察も含まれ所要時間2時間30分で40万ウォン〜(日本円で2万8000円〜)となっており、リーズナブルな価格設定になっています。
● メディカル・ビザを取得して治療に専念する
  海外で治療を受ける際に問題となるのは「いつまで滞在できるのか?」ということ。
  韓国では「メディカル・ビザ」の発行があり、90日間もしくは1年間滞在可能なビザの発給制度がありますので、本格的に治療を受けることも可能です。
  人間ドックは対象外になりますが、入院や治療にかかった費用は一定の条件を満たすことで、日本の生命保険および健康保険からも給付が受けられることがあります。
  韓国であれば、買い物や観光を楽しみながら、安くて高度な治療が受けられるのかもしれませんね。
※1000ウォン=70円で試算
釜山のメディカル・ツアー広報センター[筆者撮影]
  
飯田 道子(いいだ・みちこ)
海外生活ジャーナリスト/ファイナンシャル・プランナー(CFP)
  金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっている。主な著書には、「宅建資格を取る前に読む本」(総合資格)、「介護経験FPが語る介護のマネー&アドバイスの本」(近代セールス社)などがある。
  海外への移住や金融、社会福祉制度の取材も行う。得意なエリアは、カナダ、韓国など。
  
2012.07.19
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