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旧契約に中途付加や更新があった場合の保険料控除
  既にご存じのとおり、今年1月1日から新しい保険料控除制度がスタートしています。しかし、気を付けたいのは、平成23年以前の保険契約の特約が更新された場合や、保険の見直しなどで特約を中途付加した場合の取扱について。このような場合は、新旧の保険料控除が混在して適用されるケースがありますので注意が必要です。
● 特約が更新された場合や中途付加した契約は注意
  そこで、あらためて保険契約に適用される控除額を整理してみましょう。
一般生命保険料控除 所得税4万円(旧5万円)・住民税2.8万円(旧3.5万円)
介護医療保険料控除(新設) 所得税4万円・住民税2.8万円
個人年金保険料控除 所得税4万円(旧5万円)・住民税2.8万円(旧3.5万円)
合計適用限度額 所得税12万円(旧・10万円)・住民税7万円(変更なし)
  新しい保険料控除額は、原則として平成24年1月1日以降の新契約について適用されますが、平成23年以前の保険契約については、従来の保険料控除額が今後も適用されます。
  しかし、旧契約に付加している特約が更新された場合などには新契約とみなされ、更新前の保険料については旧生命保険料控除制度で、更新後の保険料については新生命保険料控除制度で、それぞれの控除額を計算します。また、特約を中途付加した場合についても更新と同様の取扱いとなります。ただし、リビングニーズ特約や指定代理請求特約などの中途付加については、生命保険料控除制度の変更は適用されません。
  例えば、平成23年以前に契約した医療保険の場合、旧制度の「一般生命保険料控除」が適用されますが、今年7月1日にこの医療保険に付加している先進医療特約が更新された場合には、6月までの払込保険料は旧制度の「一般生命保険料控除」、7月からの払込保険料は「介護医療保険料控除」が適用されます。
  また、医療保険やがん保険契約に死亡保障がセットになっている場合、死亡保険金額が入院保険金日額の100倍を超えていると、「介護医療保険料控除」ではなく「一般生命保険料控除」に区分されるので注意が必要です。
  保険相談などで、保障の見直しをする場合には、保険料控除額が変更されるケースもありますので、保障内容と共に控除額の変更についても十分な説明が必要でしょう。
  
高橋浩史 (たかはし・ひろし)
FPライフレックス 代表(住まいと保険と資産管理 千葉支部)
日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFP®
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
東京都出身。デザイン会社、百貨店、広告代理店などでグラフィックデザイナーとして20年間活動。その後、出版社で編集者として在職中にファイナンシャル・プランナー資格を取得。2011年独立系FP事務所FPライフレックス開業。
住宅や保険など一生涯で高額な買い物時に、お金で失敗しないための資金計画や保障選びのコンサルタントとして活動中。その他、金融機関や出版社でのセミナー講師、書籍や雑誌での執筆業務も行う。
ホームページ http://www.fpliflex.com
ブログ http://ameblo.jp/kuntafp/
  
  
2012.07.26
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